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オペラで愛まSHOW!■番外編■香盛(こうもり)修平のたわけた一日「ランスへの旅」

サラリーマン、オペラ歌手?小説家?の

香盛(こうもり)修平です。

連載の他に「オペラ観劇して感激した!」といった話を不定期につぶやきます。題して「香盛(こうもり)修平のたわけた一日」
オペラで愛まSHOW番外編《ランスへの旅》
 

オペラで愛まSHOW!


■番外編■観劇して感激!「ランスへの旅」鑑賞記

2015年4月18日、フェスティバルホールにロッシーニがやってきた。「ランスへの旅」を関西で、しかもゼッタさんの指揮で楽しめるとは!
感想を書いてねとリクエストを受けたが、できれば下手な文章などにせず、ワイン片手にずっと余韻に浸っていたい。 そんな幸せに包まれている。

しかし、私よりも、いや!会場にいた誰よりもロッシーニを楽しみ、歌い手たちを熱く、温かく見守っていた最高の観客はゼッタさんではないだろうか。
14声のアンサンブルを指揮している時、ゼッタさんの背中は喜びに溢れていたが、それ以上に印象的だったのはコリンナ(老田裕子さん)がハープ伴奏で歌う即興歌の場面。
横顔をうかがうだけで、歌い手に包み込むような笑みを送り、音楽をともに奏でる幸せを感じておられることがわかった。
世界的なマエストロの指揮は、初めてロッシーニの音楽に触れたときの感動、喜びを今も変わらず持ち続けている若々しい指揮だった。

この作品のストーリーは単純だが、登場人物が多い。慌てて前日に頭の中で人物相関図をイメージしてから劇場に足を運んだ。しかし、名前を記憶するのが苦手な私の心配は、全く杞憂に終わった。松本重孝さんの演出は、この作品の本質を捉えている。それぞれの性格、声の魅力を丁寧に観客に見せながら場面が展開していく。重唱も、合唱の入る豪華なフィナーレも、声の魅力を客席に伝えることを第一に考えた演出だった。
それは作品に忠実にということだと感じる。これ以上ない贅沢な14声のアジリタを楽しんだ後で、ハープ伴奏の透明感のある即興曲、そして期待通りのフィナーレへ。
まさにロッシーニの魅力を最大限に味わえるように、この最高のメニューと声という素材を知りつくした爽快な演出だった。

なぜかこの作品を見終わった時にモーツァルト「フィガロの結婚」ニ幕フィナーレが頭に浮かんだ。「フィガロの結婚」が、ニ幕フィナーレでナンバーオペラの時代を突き抜けた「連続性の美学 」を示した画期的な作品ならば、ロッシーニの「ランスへの旅」は「逆算の美学」を示した画期的な作品だ。料理の余韻を最高の気持ちで味わってもらうためにフィナーレから逆算され、綿密に構成された音楽。

この作品を上演するためには最高の歌い手、スタッフが要求される。今回、ゼッタさんのもとに集められた最高の歌い手たち。ロッシーニを知り尽くした海外で実績のある歌手だけではない。関西の歌い手がともに舞台に立った。これから素晴らしい化学反応が起こりそうな予感がする。
今回、幸いなことに音楽練習の場に立ち会うことができた。最高の本番に向けて、練習でキャストだけでなく、カバーの若手歌い手にもアジリタの音符一つ一つに対して妥協せず指導するマエストロの姿は、心の奥深くに焼きつけられた。

感動をありがとうございました。

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