オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—9月26日—とにかく、今日は話題の多い日です

【9月26日】とにかく、今日は話題の多い日です

⚫️1782年、イタリアの作曲家パイジェッロ(ジョヴァンニ・1740-1816)『セビリアの理髪師または無駄な用心』が、ペテルブルクのエルミタージュ帝国劇場で初演されています。今日では『理髪師』といえばロッシーニ(ジョアッキーノ・1792-1868)と誰もが連想しますが、実はロッシーニは34年後に同名のオペラを書いたのです。その結果、残念ながらパイジェッロのこの曲はほとんど顧みられなくなりました。
⚫️1813年、そのロッシーニの『試金石』が、ミラノ・スカラ座で初演されています。すでにヴェネツィアで活躍していた若手作曲家として彼の文字通りの試金石でもありました。
⚫️1835年、イタリアの作曲家ドニゼッティ(ガエターノ・1797-1848)の代表作『ランメルモールのルチア』が、ナポリ・サンカルロ歌劇場で初演されました。スコット(ウォルター・1771-1832)の『ラマームーアの花嫁』に基づき、カンマラーノ(サルヴァトーレ・1801-52)がイタリア語台本を製作。主人公ルチアが新婚の夜に新郎を刺し殺して、血まみれになって歌う「狂乱の場」は、ベル・カント・オペラの大きな特徴になったほどでした。
⚫️1898年、アメリカの作曲家ガーシュイン(ジョージ・-1937)が、ニューヨークのブルックリンで生まれています。ポピュラー音楽とクラシック音楽を両立させた才能は、まさに天才でした。オペラでは、『ポーギーとベス』で不動の地位を獲得した彼は、兄のアイラ(1896-1983)とともに、数多くの歌曲も作曲。さらに『ラプソディ・イン・ブルー』『パリのアメリカ人』など、まさにアメリカ音楽の代表作にもなっています。
⚫️1930年、ドイツのテノール歌手ヴィンダーリヒ(フリッツ・-1966)が、クーゼルで生まれています。若くしてウィーン国立歌劇場との出演契約を交わし、ヨーロッパ各地で活躍。まさにこれからという時期に事故死してしまいました。パバロッティ(ルチアーノ・1935-2007)をして、歴史上最高のテノールと言わしめたほどの才能でした。(亡くなった日の9月17日の項参照)
⚫️1945年、ハンガリーの作曲家バルトーク(ベーラ・1881-)が、ニューヨークで亡くなっています。彼が残した唯一のオペラ『青ひげ公の城』は、20世紀オペラの代表作の一つとされています。(誕生日の3月25日の項参照)
⚫️1957年、アメリカの指揮者であり作曲家でもあったバーンスタイン(レナード・1918-90)のミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』が、ニューヨークのブロードウェイで初演。以後、734回というロングラン記録を打ち立てています。内容は、『ロメオとジュリエット』を、ニューヨークのハーレムを舞台に移し替えた悲恋物語。1961年には映画化され、さらに人気を勝ち得ました。作詞は、まだ20代だったソンドハイム(スティーヴン・1933-)が担当しています。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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