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【オペラ暦】—10月18日—思想家ルソーは、オペラも書いた

【10月18日】思想家ルソーは、オペラも書いた

⚫️1706年、イタリアの作曲家ガルッピ(バルタッザーレ・-1785)が、ヴェネツィアのブラーノ島で生まれています。18世紀前半のオペラ作曲家としてイタリアだけでなく、ロンドン、ウィーンなどでも活躍し45年間に100作以上ものオペラを書いたと言います。同時代の劇作家ゴルドーニ(カルロ・1707-93)と共同で、『逆さまな世界』『田舎の晢学者』『結婚』など6作を書いています。
⚫️1752年、フランスの思想家で、作曲もこなしたルソー(ジャン=ジャック・1712-78)の1幕のオペラ・コミック『村の占い師』が、パリのフォンテーヌブローで初演されています。イタリアのオペラ・ブッファに刺激を受けて、当時のフランス宮廷風のオペラに対抗し、いわゆる「ブフォン論争」を引き起こした作品でもあります。初演以来60年間に400回以上も上演されたほどの人気曲でした。
⚫️1817年、フランスの作曲家メユール(エティエエンヌ=ニコラ・1763-)が、パリで亡くなっています。当時、グルック(クリストフ・ヴィリバルト・1714-87)とピッチンニ(ニコロ・1728-1800)による論争でグルック側につき、その後『ユーフロジーヌとコラダン』『アロンゾとコラ』などで名声を博しました。フランス・オペラでのグルックとその後のロマン派の作曲家たちの橋渡しをした作曲家と言えましょう。(誕生日の6月22日の項参照)
⚫️1834年、イタリアのオペラ作曲家ドニゼッティ(ガエターノ・1797-1848)『マリーア・ストゥアルダ』が、ナポリのサン・カルロ劇場で初演されています。16世紀のイギリスでのイングランド女王エリザベスとスコットランド女王メリー・スティアートとの確執を描いたシラー(ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・フォン・1759-1805)の『マリーア・シュトゥアルト』に基づいて作曲。ドニゼッティ作品の中でも、とくに人気のあるオペラの一つです。
⚫️1893年、フランスの作曲家グノー(シャルル・1818-)が、パリで亡くなっています。彼はさまざまな分野での音楽作品を残していますが、オペラではデビュー作『サフォ』や『ファウスト』『ミレイユ』『ロメオとジュリエット』などが有名です。当時パリで人気を博していたマイアベーア風やイタリア・オペラ風に染まらずに、真のフランス・オペラを目指した点で評価されるべきでしょう。(誕生日の6月18日の項参照)
⚫️1934年、日本のオペラ演出家として期待されながら57歳という若さで夭折した三谷礼二(-1991)が、東京で生まれています。小劇団の自由劇場を経て、東京室内歌劇場のモーツァルト(ウォルフガング・アマデウス・1756-91)『カイロの鵞鳥』で演出家デビュー。その後『蝶々夫人』で成功を収め、東京藝大創立100周年の『オルフェウスとエウリディーチェ』でも、その斬新な演出が注目を集めました。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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