オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—12月14日—20世紀オペラの名作『ヴォツェック』『三部作』初演

【12月14日】20世紀オペラの名作『ヴォツェック』『三部作』初演

⚫️1897年、フランスの名テノール歌手ティル(ジョルジュ・-1984)が、パリで生まれています。パリ・オペラ座では16年の長きにわたってプリモ・ウォーモとして活躍。欧米各地のオペラハウスでも招聘され、とくにウェルテル、カラフ、マントヴァ公爵などを得意としていました。(亡くなった日の10月17日の項参照)
⚫️1918年、プッチーニ(ジャーコモ・1858-1924)『三部作』が、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されています。三部作とは、極めてヴェリズモ的な『外套』、上流社会の偽善に悩む女性を描いた『修道女アンジェリカ』、そして彼には珍しいブッファ的な『ジャンニ・スキッキ』で、それぞれ1時間弱の上演時間ですが、今日ではそれぞれ単独で上演されることの方が多いようです。
⚫️1925年、ドイツの作曲家ベルク(アルバン・1885-1935)『ヴォツェック』が、ベルリン国立歌劇場においてクライバー(エーリヒ・1890-1956)の指揮で初演されています。ビューヒナー(ゲオルク・1813-37)の未完の戯曲『ヴォイツェック』に基づき、作曲家自身が台本化したもの。20世紀を代表するオペラと評価されています。
⚫️1921年、日本の指揮者、森正(1921-87)が、大阪で生まれています。NHK交響楽団のフルート奏者を経て指揮者に転向。同楽団の正指揮者として活躍するほか、オペラも数多く指揮しています。(亡くなった日の5月4日の項参照)
⚫️2003年、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場が再建され、この日ムーティ(リッカルド・1941-)指揮フェニーチェ劇場管弦楽団の『献堂式序曲』をもって再開されました。同劇場は1996年1月に放火によって焼失し、世界各地から再建募金が集められ、日本でも「ラ・フェニーチェ再建募金友の会」(現:フェニーチェ劇場友の会)が結成され、オペラファンからの浄財が集まり約500万円が同会から再建基金として寄付されました。


新井 巌(あらい・いわお)


1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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