オペラ・エクスプレス

The opera of today from Tokyo, the hottest opera city in the world

合言葉は「Morte」!?仮面で会いましょう—藤原歌劇団《仮面舞踏会》公演レポート&オペラ・ツアー

藤原歌劇団の《仮面舞踏会》公演を観てきました!

会場は渋谷のBunkamura オーチャードホール。美術館、映画館、カフェなどとが一緒になっている文化複合施設で、おしゃれな雰囲気が魅力のホールです。

今回のプロダクションは藤原歌劇団が2013年に初演した粟國淳演出のもの。アレッサンドロ・チャンマルーギの装置・衣裳による、イタリアの伝統的な手法で描かれた華麗なる背景幕と舞台中央に置かれた大階段に、ヴェネツィアの工房で作られた色鮮やかな衣裳が魅力的な作品です。衣裳からすると時代設定は17世紀半ば。第三幕の仮面舞踏会のシーンではバロック風の劇中劇が演じられたりコンメディア・デッラルテの仮面をつけた人々が踊ります。それまでの暗い場面から一転してのこの舞踏会のシーンは大変魅力的でした。
藤原歌劇団《仮面舞踏会》DSC_219221 © Naoko Nagasawa (OPERAexpress)
私が観たのは12月5日の公演です。この日のアメーリアは小川里美。長身で優美、声も安定していて、このキャラクターの女らしさを良く表現していました。リッカルドの西村悟は同じく背が高く、素直な発声の美しい声。知性ある優しい総督という雰囲気が素敵でした。リッカルドの忠臣レナート役は予定されていた堀内康雄が降板した後を牧野正人が務めボリュームと野性味のある声。ウルリカの鳥木弥生はかなりインパクトがある衣裳とメーク。美しいイタリア語と構築の見事な歌唱で魅了しました。オスカルの高橋薫子は可愛らしい容姿と伸びのある高音。その他シルヴァーノの和下田大典、サムエルの久保田真澄、トムの小田桐貴樹なども好演でした。

オーケストラは佐藤正浩指揮の東京フィルハーモニー。ヴェルディの中でもフランスのグランド・オペラから多くを学んでいるこの作品の様々なニュアンスを汲んだ演奏でした。藤原歌劇団合唱部もいつもながら歌心のある演唱を聴かせてくれました。
(所見:12月5日)

文・井内美香 reported by Mika Inouchi / photograph : Naoko Nagasawa


《仮面舞踏会》

全3幕 字幕付き原語上演

ヴェルディ:「仮面舞踏会」オペラ全3幕<字幕付き原語上演>[リコルディ版]
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
アントーニオ・ソンマ台本
2015/12/5(土)、6(日) 14:00開演

指揮:佐藤正浩
演出:粟國淳

出演:
リッカルド:西村悟(12/5)/藤田卓也(12/6)
レナート:牧野正人(12/5)/森口賢二(12/6)
アメーリア:小川里美(12/5)/山口安紀子(12/6)
ウルリカ:鳥木弥生(12/5)/二渡加津子(12/6)
オスカル:高橋薫子(12/5)/オクサーナ・ステパニュック(12/6)
シルヴァーノ:和下田大典(12/5)/大石洋史(12/6)
サムエル:久保田真澄(12/5)/田中大揮(12/6)
トム:小田桐貴樹(12/5)/別府真也(12/6)
判事:納谷善郎(12/5)/狩野武(12/6)
アメーリアの召使い:狩野武(12/5)/納谷善郎(12/6)
暗殺団:飛鳥井亮、上田誠司、江原実、大塚雄太(両日)

合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

合唱指揮:須藤桂司
美術・衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ
照明:笠原俊幸
舞台監督:菅原多敢弘
振付:伊藤範子
副指揮:奥田恵悟
演出助手:奥村啓吾

字幕:本谷麻子

公演監督:折江忠道
制作:公益財団法人 日本オペラ振興会
会場:Bunkamuraオーチャードホール

[主催]
公益財団法人日本オペラ振興会/Bunkamura

***********************************************

OPERA VIVAツアーのご報告:

この《仮面舞踏会》公演ですが、インターネットラジオOTTAVAとオペラ・エクスプレスの共同でOPERA VIVAツアーを企画しました。応募してくださった皆さんの中から抽選で選ばれた5名様と一緒に観劇するというものです。オペラ初心者の方に向けて、という趣旨に賛同して下さった藤原歌劇団から多大なご協力を得て実現した企画であり、同歌劇団には改めて感謝致します。

以下はツアーの簡単なご報告です。

当日のメンバーは男性3名、女性2名。OTTAVAの斎藤茂さんと一緒に開演一時間前に皆さんをお出迎えします。皆で入場しホール内のカフェでこのオペラに関するミニ・レクチャーを行いました。そして本番の観劇です。

公演後は、藤原歌劇団の広報の方と待ち合わせて舞台裏へ案内して頂きました。たった今まで悲劇が演じられていた舞台の上に自分で立ってみると、思ったよりスペースが小さかったです。舞台は大きく見えるのですね!鮮やかな背景幕をバックに黒い階段にはキラキラした紙吹雪が残っていて印象的でした。とても素敵な演出家の粟國さんが私たちグループの記念撮影に合流してくださいました。
DSC_48902© Naoko Nagasawa (OPERAexpress)
**************************************************

そしてその後は反省会(笑)です!OTTAVAの斎藤茂さん、5名の参加者の方々、そしてオペラ・エクスプレスの共同主宰者である長澤直子さんと私で、渋谷の居酒屋に行きました。いやはや、楽しかったです(笑)。何が楽しかったかと言いますと、すでに結構オペラに親しんでいる方や、オペラは初心者だけれどもその他のいろいろな事に詳しい方など、皆さんとお話ししているとオペラの見方がどんどん拡がっていくのです。それぞれの方がオペラを好きになったきっかけ、《仮面舞踏会》のリッカルドとアメーリアを許せるか、オペラと一般演劇の違い、など大変興味深い議論が飛び交いました。

奥様が音楽大学出身でピアノを弾かれるのに対抗して(?)最近オペラに目覚めた「キンちゃん」さん、神戸から駆けつけて下さった長年のOTTAVAリスナー「勝手にマドンナ」さん、金沢で合唱をなさっている「koro」さん、歌舞伎鑑賞の他にご自分も油絵を描くなど多才な「ムーミン谷のまる」さん、そしてアマチュアのオーケストラ奏者の「かずのり」さん。皆さん、またお会いしましょう!

コメントを残す

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top