オペラ・エクスプレス

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美しいと思っているのは自分だけ?———自意識過剰でちょっと醜い、だけど何故か憎めないお姫さま《プラテ》リハーサルレポート

今年の5月7日に練馬文化センターにて上演される、ラモーのオペラ「プラテ・・・ジュノンの嫉妬」のリハーサルを見学してきました。椎名町駅近くのバレエスタジオ「ジョイ・バレエストゥーディオ」が継続してきたフレンチバロック・オペラのシリーズで、今回の「プラテ」は2012年の日本初演(!)、14年の再演に続く再々演となります。これだけでも凄いのですが、既に2018年の再々再演まで決定しているのは驚きです。

18世紀フランスのバロック・オペラである「プラテ」。ギリシア神話の神々や沼の精霊の女王プラテが繰り広げるドタバタ喜劇で、カエルを模したコミカルな合唱など観る者を楽しませてくれます。それでいて味わい深い展開があるのも魅力。今回の上演は、これまでの2度の上演と同様にジョイ・バレエストゥーディオの芸術監督を務める錦織佳子さんの演出・振付によるもの。衣装・小道具・合唱やバレエダンサーの動かし方など細部にまで繊細さが感じられ、色彩感のある舞台が期待できます。

音楽を作り上げる中心は、この「プラテ」がオペラ指揮デビューとなる根本卓也さん。新国立劇場の音楽スタッフとして数々の公演を成功に導いてきた根本さん曰く、「変拍子も多く、振る側としてはとても難しい作品」とのこと。「プラテ」は全編に舞踏音楽が散りばめられているので、音楽の隅々までバレエ付きで上演できることは大きな強みだそうです。今回の上演に際してカット箇所を見直し、全体的にはヴォリュームが増したとのこと。この日のリハーサルでは、オーケストラが物理的に演奏できるテンポ・バレエダンサーが実際に踊れるテンポの調整も行われました。踊り手・オーケストラ・歌手が一体となり、一つのオペラを仕上げていく―この三者の連携が密に行われることは、バレエスタジオが主催するこのシリーズの強みでしょう。

また、今回はフランス・バロックでよく採用される392Hz(=ヴェルサイユ・ピッチ)で行われます。オーケストラの拘りは随所に聴かれ、休止からの弾けた表情や巧みなアッチェレランドなど、息もつかせぬ鮮烈な展開が魅力的。また作曲当時の「大オーケストラと小オーケストラの対比」に倣い、小編成ながらソロとトゥッティの対比が成されている点にも耳を傾けたいところ。
ソロを務める歌手は、新国立劇場で活躍する根本さんが選んだ若手の実力派揃い。表題役のプラテを歌う糸賀修平さん、プラテの侍女クラリーノの藤井玲南さん、フォリーの高橋美千子さん、ギリシア王シテロンの高田智士さん他、粒揃いの歌い手が華やかに魅せます。
プラテリハーサル_123
期待が高まる本公演は5月7日(土)、練馬文化センターにて18時開演。

取材・文:平岡拓也 reported by Takuya Hiraoka


【公演情報】
2016年5月7日(土) 18時開演 練馬文化センター

ジョイ・バレエストゥーディオ プロデュース
ラモー:プロローグと3幕のオペラ・ブフォン
 「プラテ・・・ジュノンの嫉妬」(1745年版)

芸術監督・演出・振付:錦織佳子
プロデューサー・バレエミストレス:錦織舞
指揮:根本卓也
管弦楽(古楽器):ジョイ・オペラ・アンサンブル

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