オペラ・エクスプレス

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圧倒的な名舞台!———宮本亜門の《フィガロの結婚》二期会名作オペラ祭

《フィガロの結婚》東京二期会の《フィガロの結婚》を観てきました!宮本亜門の演出です。宮本亜門のモーツァルトといえば、昨年二期会で上演された《魔笛》もファンタジーあふれる演出に驚嘆しましたが、《フィガロの結婚》もやはり圧倒的な公演でした。

このプロダクションは、二期会の創立50周年記念としてパスカル・ヴェロ指揮、宮本亜門演出で2002年に初演されたものです。そして好評を得て、2006年、2011年と再演を重ねてきました。今回は《二期会名作オペラ祭》と銘打たれた、名作オペラを廉価で提供する上演でした。

《フィガロの結婚》

伯爵夫人:大村博美/フィガロ:黒田博/スザンナ:嘉目真木子

宮本亜門の《フィガロの結婚》は、原作者ボーマルシェの諷刺精神、気品ある美しさ、そして現代性を兼ね備えています。三層の大きなアーチや、舞台奥の豪華な壁パネルを使ったニール・パテルの美術、優美な色と形を持つ前田文子の衣裳は演出に大きく貢献していました。そして大島祐夫の照明も、登場人物の影を逆さまに映したり、スポットライトや色による心理表現などが雄弁でした。

私が観た初日キャストは、適材適所に加えて、動きが多いアンサンブルのお芝居を軽やかにこなすチームワークが印象的でした。特に素晴らしかったのが、確固たる意志で状況を切り開いていくフィガロを演じた黒田博。そして伯爵夫人を歌った大村博美は長身の美貌に豊潤な声、安定した歌唱で舞台に大輪の花を咲かせました。アルマヴィーヴァ伯爵の小森輝彦は端正な歌に抜群の演技力、また美しくて溌剌としたスザンナの嘉目真木子、安定したケルビーノの小林由佳とバルトロの妻屋秀和。マルチェッリーナの押見朋子、ドン・クルツィオの渡邉公威、アントニオの鹿野由之なども好演でした。バジリオの高橋淳はキャラが立っている役柄を適確に歌い演じて秀逸。そしてバルバリーナの盛田麻央も素直な歌唱で好感度大でした。二期会合唱団は演技も歌も優秀です。

オーケストラはウィーン出身のサッシャ・ゲッツェル指揮の東京フィル。レチタティーヴォの通奏低音でハンマーフリューゲルを弾いた大藤玲子も巧みな演奏で聴かせました。
(所見:7月15日)

文・井内美香 reported by Mika Inouchi / photograph:Naoko Nagasawa


東京二期会
《フィガロの結婚》
二期会名作オペラ祭

オペラ全4幕 字幕付原語(イタリア語)上演

会場:東京文化会館 大ホール
公演日:2016年7月15日(金)18:30/16日(土)14:00/17日(日)14:00/18日(月・祝)14:00

台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

指揮:サッシャ・ゲッツェル
演出:宮本亜門

装置:ニール・パテル
衣裳:前田文子
照明:大島祐夫
振付:麻咲梨乃

合唱指揮:大島義彰
舞台監督:村田健輔

キャスト:
アルマヴィーヴァ伯爵:小森輝彦(7/15・17)与那城敬(7/16・18)
伯爵夫人:大村博美(7/15・17)増田のり子(7/16・18)
ケルビーノ:小林由佳(7/15・17)青木エマ(7/16・18)
フィガロ:黒田博(7/15・17)萩原潤(7/16・18)
スザンナ:嘉目真木子(7/15・17)髙橋維(7/16・18)
バルトロ:妻屋秀和(7/15・17)長谷川顯(7/16・18)
マルチェリーナ:押見朋子(7/15・17)石井藍(7/16・18)
ドン・バジリオ:高橋淳(7/15・17)高田正人(7/16・18)
ドン・クルツィオ:渡邉公威(7/15・17)升島唯博(7/16・18)
アントニオ:鹿野由之(7/15・17)畠山茂(7/16・18)
バルバリーナ:盛田麻央(7/15・17)全詠玉(7/16・18)
花娘1:藤原唯(7/15・17)辰巳真理恵(7/16・18)
花娘2:宍戸茉莉衣(7/15・17)加藤早紀(7/16・18)

字幕制作:とよしま洋

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

公演監督:大島幾雄
制作:公益財団法人東京二期会

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