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【公演レポート】 こんにゃく座《アルレッキーノ》-二人の主人を一度に持つと

六本木の俳優座で、こんにゃく座のオペラ《アルレッキーノ》 – 二人の主人を一度に持つと – を観てきました。凄いですね、これ!!!

日本語の創作オペラを上演するオペラシアター『こんにゃく座』の名声は知っていたものの、彼らの舞台を観るのはこれが初めてでした。1971年の創立で、「日本語が聴き取れる」「演劇性を重視する」「ピアノのみ、もしくは小編成の演奏」に歌役者達が出演するオペラです。作曲家の林光(1931-2012)が長年座付作曲家(と芸術監督)を務めていましたが、現在は作曲家の萩京子が代表・音楽監督となり、新作を精力的に発表しながら日本各地で活発な上演を続けています。

今回の《アルレッキーノ》は昨年2月に世田谷パブリックシアターで初演されました。ピアノと一緒にヴァイオリン、クラリネット、アコーディオンが舞台上手に座っています。即興喜劇=コメディア・デラルテの名作《アルレッキーノ》上演にぴったりの雰囲気でした。

こんにゃく座《アルレッキーノ》-二人の主人を一度に持つと   (C)Naoko Nagasawa

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舞台の中央には円形のステージがあり、きれいな青のカーテンの内側は建物の絵になっています。そしてイタリアの即興喜劇の道化、四人の“ザンニ”が登場し、テンポ良く18世紀のヴェネツィアに誘ってくれます。おかしな男アルレッキーノが一度に二人の主人の召使いになってしまい、主人達はお互いがその事を知らないので奇妙な事件が次々に起こる、というあのお話です。

萩京子の音楽は辻音楽師的であったり、舞台の描写であったり、また、離れ離れだった恋人同士ベアトリーチェとフロリンドが出会うところでは美しいメロディーが二人の情緒を盛り上げるなど大変効果的でした。台本と演出は加藤直で、音楽とぴったりの動きがお芝居を盛り上げて飽きさせません。

そして歌役者さん達は歌に芝居に大活躍でした。それぞれの個性を活かした配役なんでしょうか?とても自然だし役にぴったりの人ばかり。実はいいお父さんのパンタローネ、上から目線が滑稽なドットーレ、癒し系のブリゲッラ、やけに美声のシルヴィオ、可愛いクラリーチェ、男装しているが実はとても女らしいベアトリーチェ、ハンサムなフロリンド、女の本音を小気味好く表現するズメラルディーナ。そしてタイトルロールのアルレッキーノ。いい味出していました〜。ちょっと狡くて、とぼけた味わいがあって好きでした。この作品はジョルジョ・ストレーレル演出のミラノ・ピッコロ・テアトロのお芝居《アルレッキーノ》を観たことがありますが、あちらはとにかくスピーディーでけたたましい。それに比べて日本のアルレッキーノは観ていてほのぼのする暖かさでした。第二幕の冒頭の食事の世話をする場面は大笑いしてしまったし、最後には舞台にジーンとして涙がこぼれました。

舞台の真ん中の上の方には大きく美しい三日月がかかっていて、これはザンニ達のコント(笑)とも関係があります。月の船に乗って歌と笑いを世界中に届ける『こんにゃく座』。東京公演は四回とも満員御礼だったようですが、まだこれから広島、京都、福岡で公演があるようです。ご興味がある方はぜひ。面白いですよ!
(所見:12月11日)

reported by Mika Inouchi / photo: Naoko Nagasawa


広島公演:12月21日(日)広島市東区民文化センター
京都公演:12月23日(火祝)京都府長岡京記念文化会館
福岡公演:12月25日(木)少年科学文化会館


オペラ『アルレッキーノ』─二人の主人を一度に持つと─
会場:俳優座劇場
2014年12月11日(木)~14日(日)
・11日(木)18:30
・12日(金)18:30
・13日(土)13:30
・14日(日)13:30

台本・演出 加藤直
作曲 萩京子
美術 乘峯雅寛
衣装 太田雅公
照明 服部基
振付 山田うん
舞台監督 八木清市
舞台監督助手 松村若奈
音楽監督 萩京子
宣伝美術 小田善久(デザイン) 伊波二郎(イラスト)

【出演】
アルレッキーノ:大石哲史
パンタローネ:武田茂
ドットーレ:髙野うるお
ブリゲッラ:富山直人
シルヴィオ:沢井栄次
フロリンド:北野雄一郎
ベアトリーチェ:梅村博美
クラリーチェ:豊島理恵
ズメラルディーナ:太田まり
ザンニ1:青木美佐子
ザンニ2:佐藤敏之
ザンニ3:岡原真弓
ザンニ4:佐藤久司

ヴァイオリン:手島志
クラリネット:橋爪恵
アコ―ディオン:佐藤芳明(12/11,14,23,25)
アコ―ディオン:檜山学(12/12,13,21)
ピアノ:服部真理子

後援 イタリア文化会館
主催・制作 オペラシアターこんにゃく座

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