オペラ・エクスプレス

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【インタビュー】安藤赴美子(ソプラノ)-part3

【インタビュー】安藤赴美子(ソプラノ)-part3

Fumiko Ando, soprano interview

【インタビュー】安藤赴美子-1
【インタビュー】安藤赴美子
part1
【インタビュー】安藤赴美子-2
【インタビュー】安藤赴美子
part2

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]死ぬときも演技の工夫が必要、というお話を先ほどされていましたが、加えて、歌手の方はよくオペラ全曲を記憶出来るなぁ、というのがあります。

「来年《オテロ》のデズデモナ役をやりますが、初役なんですね。初役になりますとちょっと目が血走ってきますね。まず覚えなきゃいけない、覚えなきゃいけない、って。自分の分と、相手役の分を、前後のシーンも入っていないと出来ないので、それが恐怖なんです。私はノートを作ります。ちょっと暇があった時に見て覚えるようにしたりとか…」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]デズデモナ・ノートというのがある訳ですね(笑)?

「はい(笑)。まあ、私だけかもしれないですけれど。歌詞と、それとト書きを書き込んでいきます。わからない単語も調べます。《オテロ》くらいになると凄く難しい言葉が多いんです。ベルカント・オペラと比べてもやはり台本が凝っているんですね。現代語に直すとまだ覚えやすいんですが。その作業が一番産みの苦しみ、みたいな所があります。公演によってはプロンプターもいますが、何も無い所からは出てきませんから…」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]デズデモナは来年3月にびわ湖ホールと神奈川県民ホールの共同プロデュース公演《オテロ》で歌われるということですが、デズデモナという役柄を今はどのように捉えていらっしゃいますか?

「デズデモナをやる上でちょうどいい時期かな、と思います。声と、年齢的にも。今年は《ドン・カルロ》のエリザベッタを歌わせていただきまして、少し似たタイプではありますが、エリザベッタの方が強い表現が必要な役です。役柄としての身分も上なので、より毅然とした女性でドラマがもっと強いのです。その濃厚な部分を、声楽的だけではなくドラマを前面に出すという意味でより重い役なのです。それを経験させていただいたので、もう少し清純でピュアな役柄のデズデモナは、ちょうど今いいかな、と思っています。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]《オテロ》は曲としてお好きな部分はどこでしょう?

「そうですね、《オテロ》は後期の音楽的な充実が出ていて、和声なども聴いているとすごく衝撃的なんです。ここでこんなハーモニーになるんだ、と。単純ではない音の運びが多いので、それによって音楽だけで心理描写が出来ていることを、つくづく感じます。そこに一流のテキストがついて、キャラクターがそれぞれ特徴があって、大変いいオペラですね。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]《オテロ》は沼尻竜典さんの指揮ですが、すでに共演されていますね。

「はい。オペラでは今度で三本目です。これまで《タンホイザー》《ラ・トラヴィアータ(椿姫)》がありました。熱心で、よく稽古場にいらっしゃいます。時間がある時に立ち寄って、こっそり見ていかれたり。演出と音楽面でどのようにからみあっていくかいつも考えていらっしゃるようです。間の取り方とか。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]演出は?

「演出は粟國淳さん。一緒にお仕事をするのは初めてですが大好きな演出家です。イタリア語から発生する表現を感じる方ですね。テキストに忠実で。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]《オテロ》公演、素晴らしいものになりそうですね。

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[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]これから先、例えば次はどのようなアルバムを録音してみたいとお考えですか?

「もう少し声楽家としてのこだわり、みたいなものが出せることが希望としてはありますね。誰か作曲家一人の歌曲のアルバムを出したり。歌曲の中でも華やかな、例えばリヒャルト・シュトラウスですとか、そういうものをいずれやりたいな、という思いはあります。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]ドイツ音楽もお好きですか?

「ドイツものは好きで、ドイツリートもしっかり勉強して歌いたいな、と思っています。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]そういえば《薔薇の騎士》の元帥夫人とか歌われたらきっと素敵でしょうね。

「それは言っていただくことはあります。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]オペラで今後歌ってみたい演目を教えてください。

「そうですね。ちょと重いですけれど、いつか歌ったらいいんじゃない、と言われるのはプッチーニの《マノン・レスコー》ですね。そういうものは一度は経験したいなぁ、と思います。(しばし考えて)それから私、ヴェルディの珍しい作品もやってみたいんですけれども、メジャーな何演目か以外は上演する機会が少ないので、なかなか実現しないです。《ルイザ・ミラー》などは歌ってみたい演目ですね。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]楽しみにしています。最後に、私たちオペラ・エクスプレスはオペラの総合サイトです。オペラという芸術を広めるために微力ながら努力をしていきたいと思っています。サイトを読んでいる方に向けて、ひとことメッセージをお願い出来ますか?

「はじめまして…ですよね(笑)? オペラって本当に好きな人は好きですけれど、まだまだ一部のファンのため、という所を感じるんです。総合芸術ですので、音楽も楽しめて、演技も楽しめて、美術も、まあ、時には舞台に段ボールだけ、のような演出も最近はありますけれど(笑)、その分、内面的なことを演者が表現したり、様々なことを全部楽しめる芸術としてオペラは最高の表現手段だと思うのです。数時間の中に色々な要素が入っている衝撃的な体験だと思うので、そういうものを皆さんに出来るだけ知っていただきたいですし、私も出演者として色々なオペラに携わっていて、面白さを知っていただけたらなぁと思っています。これからも声楽とオペラのカテゴリーを深めていけるように私も努力していきたいです。」

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]これからも応援しています。今日はどうもありがとうございました。

[wc_fa icon=”microphone” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]インタビュー/テキスト:井内美香 / [wc_fa icon=”camera” margin_left=”” margin_right=””][/wc_fa]写真:長澤直子


安藤赴美子さんのプロフィール(ジャパン・アーツのページへ)
FUMIKO’s blog
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【新譜CD紹介】“アップレッソ”-ソプラノ名曲集-安藤赴美子

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. 美しいということだけで感動を与えられますね。
    安藤赴美子さんの美しさをとらえた写真がすばらしいので写真家の名前を見たら、長澤直子とありました。
    安藤赴美子さんのオペラにぜひ行ってみたいと思いました。

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