オペラ・エクスプレス

The opera of today from Tokyo, the hottest opera city in the world

12月9日より全国順次公開!映画『新世紀、パリ・オペラ座』のステファン・リスナー総裁に、劇場が若返る秘策を聞いてみました!

パリ・オペラ座に潜入し一年半の撮影をして完成したドキュメンタリー映画『新世紀、パリ・オペラ座』が、12月9日より、Bunkamura ル・シネマ他で、全国順次公開となります。今回は日本公開に先立ち配給元のギャガさんがリスナー総裁にインタビューをおこないました。この映画について、そしてパリ・オペラ座についての興味深い回答の数々をご紹介します。オペラ・エクスプレスからの質問にも、特別にお答え頂きました!

「新世紀、パリ・オペラ座」
12月9日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
公式HP:http://gaga.ne.jp/parisopera/

それでは早速、オペラ・エクスプレスからの質問と、その回答です。

オペラ・エクスプレス:
パリ・オペラ座でのオペラ演目、出演アーティストを決める時にあなたが判断基準とするのは何ですか?別の言い方で言えば、あなたはどのような哲学、理想を持って劇場を運営していますか?

リスナー総裁:
これは話し出すとものすごく長くなってしまうし、数学や化学のように明確に言えることではなく、非常に複雑になるので、1つ2つの基準があるのではなく、20とか30とかのいろんなものが関わってきている中で総合的に決めていくものなんです。例えば、どういった街、どういった国でやるのか、どういうサイズの劇場なのか、どういうカレンダースケジュールなのか、アーティストの空いているスケジュールがどうか、財政具合、指揮者や演出家のスケジュール、彼らの考えや、全体としてバランス、時には熟慮もし、妥協もし、4年前くらいから時間をかけて考えています。観客がどういうものを好み、どういうニーズが今あるのか、世界や社会の現在を踏まえて政治経済社会的にも今どういうものをやったらぴったりか、など、とにかくいろんなことを考えるので、1つ2つで言えるものではないのですが、4年前からいろんな観点から考えてやっています。

(c) 2017 LFP-Les Films Pelleas – Bande a part Films – France 2 Cinema – Opera national de Paris – Orange Studio – RTS



オペラ・エクスプレス:
映画の中で子供たちの弦楽プログラムがとても印象的でした。パリ・オペラ座が若者達を劇場に近づけるために他に何をしているか教えて下さい。

リスナー総裁:
若者を引き付けるための戦略は色々あります。我々も国立の劇場として責任があると思っているので、なるべくお金の手段がない若者にも門戸を開きたいと思っており、様々なイベントや舞台に彼らが参加しやすくなるような企画が色々あります。

一つ例として挙げると、新作の場合なんですけれども、本番が始まる前のプレミアを若い人たちが10ユーロで観られるようにして、本番前の2日間を本番と同キャストで同内容で、28歳以下の人は10ユーロで観られると言うプランがあります。これはガルニエでもバスティーユでも実施されており、該当公演が年間で15日くらいあります。この10ユーロで来られると言うのがまず一つです。

2つ目のものは、値段に関する戦略ですが、年間の入場者数をまとめると90万人くらいの人がいまして、そのうち10万人くらいが若い人です。我々には、その若い人たちが50ユーロ以下で観られると言う若者向けパスがあって、それを買えば50ユーロ以下で観られます。別の企画では40歳以下の人は40%引きでみられるというのもあるし、子供連れで来れば50%以下の値段で観られるとか、色んなケースに応じて割引制度を用意してあります。またパッケージで5つのオペラとダンスが見られるとか、ちょっと割安で観られるようなものもやっています。

3つ目は、「第三の舞台」と命名したプランです。ガルニエ創設が1875年、バスティーユが1989年、そして2015年から「第三舞台」を始めています。これが何かというと、我々のホームページで無料で観られるデジタルプラットホームで、今までオペラ座とは関係なかったいろんな芸術家、画家、作家、写真家、彫刻家、映画監督などが、様々なオペラ座の断片に関するダンスだったり音楽だったり建築だったり、オペラ座に関するいろんな断片のショートフィルムのようなものを作って見れるようにしたものです。今まであまりオペラ座とは縁がなかったようなお客様にも見てもらえるように、この2年間で35本のショートフィルムを作つくりました。短いのは4-5分、長いのは15分くらいの短い動画ですが、ガルニエのこと、バスティーユ、ナンベールにあるダンス学校、装飾を作るセクションのことなど、ありとあらゆるものに関しての短編を今35作作っていて、インターネットで無料公開していて、誰でもアクセスすれば見られます。もう既に250万アクセスに達していますので、これも非常に成功していると言って良いと思います。今まであまり縁のなかった人も見てみようかなと思えるように、無料で観られるようになっています。

あと自分が2015年に着任した後から、「アカデミー・ドゥ・オペラ(パリ・オペラ座アカデミー)」という教育的なアカデミーを始めました。パリ・オペラ座は国立の団体として、伝承や育成、創造といった任務を持ちます。そして、アカデミーは、歌唱、音楽、演出、また伝統技術といった分野における次世代のプロフェッショナルを奨励するためにあるのです。映画にも写っていたバイオリンをやる子供たちとか、10か月のオペラ学校とか、オペラ大学とかいろんな項目があって、40-45くらいのクラスがあり、音楽・歌・彫刻・画家・エンジニアなど、とにかくオペラ座に関わるいろんな職業を網羅していて、彼らのプロデュースで年に1つ2つくらい作品を作るのですが、優秀な人ももちろん入ってくるし、映画の中にもちょっと映っていた、仕事がなかったり、お金がなかったり、困難な社会状況に置かれている人たちも、興味があるなら手に職を付けられるようにしてあげて、そういう人たちがまたさらに若い世代にいろんなオペラ座に関わる芸術の部分を職業として継承していってくれるようにという風にやっていっています。映画に出てくるミハイル・ティモシェンコなんかはアカデミーに入って、そこで3年学んで、今は舞台に立っているので、彼は典型的な、生え抜きで中から出てきた人なので、アカデミーで総合的な職業を伝授しています。

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