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「創造する劇場」の挑戦 ― びわ湖ホールプロデュースオペラ《トゥーランドット》

「創造する劇場」の挑戦 ― びわ湖ホールプロデュースオペラ《トゥーランドット》

「創造する劇場」を理念に掲げるびわ湖ホールが、指揮者・阪哲朗プロデュースの第3弾として取り組んだ新制作《トゥーランドット》。本稿では、そのゲネプロの模様を紹介する。


闇の中を蠢く人々の背後に光が差し、役人が布告を読み上げる。舞台両側には骸骨の映像が映し出され、恐怖に支配される北京の民の心情を描き出す。舞台を埋め尽くす群衆には、びわ湖ホール声楽アンサンブルに加え、公募オーディションで選ばれた一般市民も参加。「演じる場」「創る場」として劇場を地域にひらくという、芸術監督の阪哲朗とびわ湖ホールが目指す劇場の在り方を象徴するような公演となった。
演出は粟國淳が手がけ、プロデュースオペラでは初めて、ほぼ全キャストを対象とした全国公募オーディションを実施。227名の応募者の中から選ばれた歌手たちが舞台に集結した。
終幕では、舞台いっぱいに広がる群衆が織りなす鮮やかな色彩、そしてソリストたちが一体となって壮大なフィナーレを築き上げる。その圧倒的なスケール感からは、びわ湖ホールが長年培ってきた制作力と人材育成、そして2026年度のテーマである「挑戦」が、確かな形となって結実したことを示していた。


びわ湖ホールは耐震性向上や設備更新のため、2026年7月から2028年2月まで全館休館に入る。しかし休館中も県内外で事業を展開し、活動を継続する予定だ。びわ湖ホール制作の《森は生きている》は、新国立劇場の「地域招聘公演」に招聘され、間もなく東京で上演される予定となっている。
劇場専属の「びわ湖ホール声楽アンサンブル」を核に、自主制作オペラを積み重ねてきたびわ湖ホール。その成果は今回の《トゥーランドット》にも色濃く表れていた。2028年、開館30周年を迎えて再開する劇場が、新たな「創造する劇場」としてどのような舞台を生み出していくのか、大きな期待が寄せられる。

取材・文:オペラ・エクスプレス編集部


写真:長澤直子


公演概要

びわ湖ホール プロデュースオペラ
プッチーニ作曲《トゥーランドット》
全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付

2026年3月7日(土)
(ゲネプロ取材:2026年3月5日)
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

スタッフ

指揮:阪 哲朗(びわ湖ホール芸術監督)
演出:粟國 淳
振付:伊藤 範子
装置:横田 あつみ
照明:原中 治美
衣裳:増田 恵美
音響:小野 隆浩
合唱指揮:大川 修司

出演

トゥーランドット:谷 明美
皇帝アルトゥム:大野 徹也
ティムール:妻屋 秀和
カラフ:宮里 直樹
リュー:吉川 日奈子
ピン:晴 雅彦
パン:与儀 巧
ポン:中井 亮一
役人:市川 敏雅

管弦楽:京都市交響楽団
合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル/「トゥーランドット」合唱団
児童合唱:大津児童合唱団
ダンサー:河森 睦生

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