オペラ・エクスプレス

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結末は、お決まりの大団円。心あたたまる展開。—――《セヴィリアの理髪師の結婚》

結末は、お決まりの大団円。心あたたまる展開。—――《セヴィリアの理髪師の結婚》

モーツァルトの「フィガロの結婚」とロッシーニの「セヴィリアの理髪師」をつなげて、一つの物語として上演するという斬新な企画、「セヴィリアの理髪師の結婚」。

物語は、伯爵夫人(=ロジーナ)が軸になって、過去を回想する形で話が進みます。
凝った舞台装置などはなく、テーブルや椅子を出演者が演じながら動かして場面を転換して行きます。


「フィガロ」の伯爵はバリトンの役です。
かつてはロジーナに熱烈な愛を捧げる青年だった伯爵が、たった3年後には、好色(?)な浮気男になっていて、ロジーナを悩ませます。


フィガロの多面性??さすがは街の何でも屋。


モーツァルトとロッシーニ。異なる様式の作曲家の作品を並べて聴いてみると、それぞれの音楽性の特徴がより際立って聴こえて来ます。

ところどころに挿入されるセリフは、元になったボーマルシェの戯曲から使用されており、物語を理解する助けとなっていました。


バジリオは「フィガロ」ではテノール、「セヴィリア」ではバスで書かれているので、2人で登場。コミカルな演技も相まって会場をわかせます。


一番面白かったのは、ラスト近く。2人の伯爵が同時に舞台に登場する場面です。

結末は、お決まりの大団円。
2作品の登場人物が全て揃い、4組のカップルが、愛と幸せをめでたく祝うハッピーエンド。心あたたまる展開に、客席からは惜しみない拍手と声援が送られました。

photo: Naoko Nagasawa


OPERAセヴィリアの理髪師の結婚
2017年8月26日(土)18時/27日(日)16時30分(全2回公演)
イタリア文化会館 アニェッリホール(東京都千代田区九段南2-1-30)
作 曲: ジョアキーノ・ロッシーニ/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
歌 詞: チェーザレ・ステルビーニ/ロレンツォ・ダ・ポンテ
原 作: ピエール・オギュスタン・ボーマルシェ
構成・演出:田尾下哲/家田淳
台本:家田淳
音楽監督:根本卓也

[キャスト&演奏]※Wキャスト
フィガロ:大沼徹/村松恒矢
スザンナ:山口清子/今野沙知恵
伯爵(セヴィリア):糸賀修平/山本康寛
伯爵(フィガロ):黒田博/与那城敬
伯爵夫人:醍醐園佳/嘉目真木子
ケルビーノ:郷家暁子/青木エマ
バルトロ:三戸大久(両公演出演)
マルチェリーナ:林よう子/磯地美樹
バジリオ:森雅史・升島唯博(両公演出演)
ピアノ:高田絢子/矢崎貴子
合唱:和泉聰子・大澤遥・小藤恵理子・冨岡由理弥・林道代・古家未希・舛田慶子

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