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“奏クール!”に過ごす、音楽のまち・かわさき―――フェスタサマーミューザKAWASAKI 2018

“奏クール!”に過ごす、音楽のまち・かわさき―――フェスタサマーミューザKAWASAKI 2018

穏やかな春の陽気に包まれた3月28日、ミューザ川崎の市民交流室にて「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2018」の、ラインナップ記者発表会が開かれた。壇上には福田紀彦川崎市長のほか、ホールアドヴァイザーとして秋山和慶氏(指揮者)、佐山雅弘氏(ジャズピアニスト)、松居直美氏(オルガニスト)の3氏、吉井實行氏(日本オーケストラ連盟専務理事)、大野順二氏(東京交響楽団専務理事・楽団長)が上がり、和やかな雰囲気の中、プログラムの発表や解説が行われた。

14回目となる今年は、約3週間で全19公演が開催され、そのうち17公演がミューザ川崎シンフォニーホール、残りの2公演は同市内の「昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ」(小田急線新百合ヶ丘駅)にて行われる。
この川崎の夏の祭典は、ミューザ川崎を拠点として活動する東京交響楽団のファンファーレで華々しく幕を開ける。その後3週間をかけて、NHK交響楽団、読売日本交響楽団ら首都圏の主要オーケストラ10団体などがクラシックのみならず様々なジャンルの音楽でタスキをつないでいき、生誕100周年を迎えるアメリカクラシック音楽界の巨匠・バーンスタインの作品で幕を閉じる。

会見の中でひときわ強調されたのは、「若手の起用」についてだ。各楽団、若いアーティストを積極的に登用したことには目を見張る。
日本フィルは弱冠23歳・新進気鋭の人気ピアニスト・反田恭平氏を起用し、北欧・ロシアの雄大な音楽を奏でる。モスクワで学んだ彼にはぴったりのプログラムといえよう。
N響が指揮者として起用したのは熊倉優氏。コンビを組むサックスソロの上野耕平氏とはともに92年生まれの25歳。百戦錬磨のN響とどのようなサウンドを奏でるのか、注目の公演だ。
2016年のソリストオーディションを勝ち抜き、フィナーレコンサートでチューバソロを演奏する田村優弥氏も91年生まれ。チューバソロを聴く機会は、クラシックファンであってもそう多くないのではなかろうか。

また、プロオケだけではなく、同市内の洗足学園音楽大学の学生による洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団のバレエ公演や川崎ジュニアオーケストラといった“より若いオケ”の参加も、「音楽のまち・かわさき」ならではといったところか。若手によるフレッシュなサウンドと、古楽分野の第一人者・鈴木雅明氏や登壇した秋山氏などベテラン勢による熟練の技を聴き比べるのも、非常に楽しめるだろう。

さらに単なるオーケストラ公演にとどまらず、オルガンコンサートやジャズバンド、オペラ歌手が観客投票で“センター”を奪い合う「アリアバトル」、さらには歌手の森山良子さんの登場など、あらゆるジャンルの音楽を用意し、「敷居を下げて、気軽にクラシックを聴いてもらいつつ、音楽マニアにも満足して頂ける企画を心掛けた」という。ジャズピアニストの佐山氏は「出演の予定はないが、乱入しちゃおうかな」と語るなど、和気あいあいとした記者発表会ながら、「より楽しいイベントにしよう」という意気込みが感じられるものだった。

開演前の時間を用いての「プレトークイベント」や、オーケストラの公演には珍しい公開リハーサルも用意されているので、より詳しく知りたい方や、筋金入りのクラシックファンも楽しめることだろう。

演奏だけではなく、チケットに関しても嬉しい情報が盛りだくさんだ。
今回初めての試みという「3名以上割引」。平日の昼公演のS席限定、という条件付きではあるが、まとめて買うと安くなるという、夏休みに家族や友人など複数名で鑑賞を検討している方には嬉しい割引制度だ。

他にも多種多様な割引やセット販売が用意されている。既に残席僅少のものもあるようだが、通常のチケットはプレイガイドでも購入できる。各公演の詳細については、ぜひ公式ホームページをご確認いただきたい。近隣の飲食店等でも、例年通りお得な提携キャンペーンを行うとのことだ。

尚、この会見では、オーディションによって選抜され、2018年4月よりホールオルガニストとなった、大木麻理氏の紹介も併せて行われた。
以下は、紹介してくれたホールアドバイザー松居直美松居氏の言葉。
「外見は楚々とした美女でありながら、男性的な潔い面も持った素敵な女性。興味の範囲が広く、歌舞伎から劇団四季まで話題が広がる、一緒にいてとても楽しい方。」
大木氏の今後の活躍にも、大いに注目したいところだ。

松居直美氏(左)と大木麻理氏(右)

暑くなるであろうこの夏を、「音楽のまち・かわさき」で、“奏クール!”に過ごしてみてはいかがだろうか。

フェスタサフマーミューザKAWASAKI 2018
2018年7月21日(土)~8月12日(日)
左より:大野順二氏/秋山和慶氏/福田紀彦氏/吉井實行氏/松居直美氏/佐山雅弘氏

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