9月9日から日本公演を行っている、ローマ歌劇場。上野の東京文化会館では《椿姫》を上演中ですが、9月16日からは、もう一つの演目《マノン・レスコー》の公演が始まります。初日を2日後に控えた14日、神奈川県民ホールでは、最終舞台稽古が行われていました。
キアラ・ムーティが演出を手掛けたことで大きな話題となっている、このプロダクション。全幕を通して「砂漠」が登場します。この「砂漠」は、マノンという女性の内面を象徴的に表現しているのでしょうか。衣裳やヘアはクラシカルで美しいものです。第二幕の大臣の屋敷のセットは、壁が鏡のように光る素材で出来ており、反射や映り込みが、独特の効果を出していました。幕が進むにつれ、舞台は段々と寂しくなり、マノンの人生が転落に向かって加速して行くのを感じます。そして最後の四幕には、とうとう砂漠のみになってしまうのでした。
第一幕
第二幕
第三幕
第四幕
取材・写真:長澤直子
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