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9月13日開幕!ローマ歌劇場 2023年日本公演―オペラの2大人気演目《椿姫》《トスカ》を上野,横浜で

9月13日開幕!ローマ歌劇場 2023年日本公演―オペラの2大人気演目《椿姫》《トスカ》を上野,横浜で

9月13日(水)にヴェルディ《椿姫》(東京文化会館・15時開演)で開幕が予定されているローマ歌劇場。11日(月)には都内のホテルにて記者会見が行われました!
リハーサルの合間を縫っての会見なので異例の19時スタート。ジャンブローネ総裁はこの日のお昼過ぎに来日。《トスカ》チーム、ヴィットリオ・グリゴーロさんとソニア・ヨンチェヴァさんは横浜の神奈川県民ホールで18時までリハーサルがあり、そこから駆けつけたとのことでした。

記者会見には《椿姫》アルフレード役のフランチェスコ・メーリさんも出席が予定されていましたが、昨日おこなわれたゲネプロで歌い、大変疲れたので今日は申し訳ないけれども欠席して本番に集中したいとの発表がありました。

司会進行役は招聘元の公益財団法人日本文化芸術振興会(NBS)専務理事、高橋典夫さんです。

まずは登壇者の紹介から。

フランチェスコ・ジャンブローネさん(ローマ歌劇場総裁)
ミケーレ・マリオッティさん(ローマ歌劇場 音楽監督/指揮者)
リセット・オロペサさん(《椿姫》ヴィオレッタ役)
ソニア・ヨンチェヴァさん(《トスカ》トスカ役)
ヴィットリオ・グリゴーロさん(《トスカ》カヴァラドッシ役)
田口道子さん(イタリア語通訳)
久野理恵子さん(英語通訳)

主催者を代表して高橋氏が公演の概要を述べられました。公演日程、会場、主催、共催、特別協賛、協賛、後援などのお名前です。

公益財団法人日本文化芸術振興会(NBS)専務理事、高橋典夫さん

NBSとしては引越公演は2019年の英国ロイヤル・オペラ以来の4年ぶり。高橋氏は、「昨日、《椿姫》のゲネプロをやって、ああ、4年もやっていなかったんだなぁと実感しました。感慨もひとしおでした」とコメント。
ローマ歌劇場の来日は今回が5回目となります。NBSとは3回目で、最初は2014年、リッカルド・ムーティ指揮でヴェルディ《ナブッコ》と《シモン・ボッカネグラ》。2018年には今回と同じヴァレンティノ・ガラヴァーニの衣裳の《椿姫》とキアラ・ムーティ演出のプッチーニ《マノン・レスコー》を上演しています。
今回はソフィア・コッポラ演出、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ衣裳の《椿姫》を再び、これは前回、大変評判が良かったので再演となったそうです。そして今年が生誕100周年にあたる巨匠フランコ・ゼッフィレッリ演出・美術の《トスカ》が上演されます。


まずは、ジャンブローネ総裁からの挨拶です。

フランチェスコ・ジャンブローネさん(ローマ歌劇場総裁)

「みなさんこんばんは。ここにNBSさんに招聘いただくローマ歌劇場の日本ツアーとして3回目の来日を果たせてとても幸せで名誉に感じています。イタリアの歌劇場として祖国を代表してここに来られたのは大きな喜びです。日本は我々をいつも喜びと情熱で迎えてくださいます。私たちが自分の家にいるように感じさせてくれるのです。日本の方々は観客としてもとても耳が肥えていて、しかも我々への好意を伝えてくださいます」
「そして今回はもう一つ幸せの理由があります。高橋さんがすでにおっしゃったのですが、これは双方にとって、パンデミックの後の初めての大きなツアーだということです。私たちは全員まだよく覚えています。世界の危機の時期を。それは私たちが劇場の中で一緒に生きることを阻みました。ですから、この来日は余計に嬉しいというわけなのです」
「今回はイタリアのオペラ史上の二つの大傑作を持ってきました。《椿姫》と《トスカ》です。作曲はヴェルディとプッチーニ。しかもこの二つの作品を、私たちの国の偉大な二人の人物が手がけている舞台を日本にお持ちしました。それは椿姫の衣裳をデザインしたヴァレンティノ・ガラヴァーニと、トスカの演出を手がけたフランコ・ゼッフィレッリです。私たちにとってもこの二つのプロダクションはとても愛着のあるものです。イタリアでも、ヨーロッパでも上演を重ねています。ゼッフィレッリ演出の《トスカ》は2008年初演のもので、今回、日本の観客のために再構築されていると言っていいと思います。ですからある意味では新しい作品であると思っています」
「以上が作品についての説明です。ここから先は我らの音楽監督、マエストロ・マリオッティにマイクを渡しましょう。音楽について語っていただきます。ちなみに今日は合唱指揮のマエストロ・チーロ・ヴィスコもこの会場に来ております。キャストは世界で活躍している最高の歌手陣、今日来てくれている歌手の皆さんも、来られなかったキャストもご期待ください。私どもの素晴らしいオーケストラ、合唱団、バレエ団、舞台裏のスタッフたち、皆一丸となって、ローマ歌劇場として誇りを持って幸せな日本滞在を過ごすことになるでしょう。最後にNBSの高橋さん、とても高い質を保証してくれている全てのスタッフの方々に感謝いたします。偉大なるオペラを世界に運ぶツアーには欠かせない条件です。そして私から故・佐々木(忠次)さんへの想いも捧げたいと思います。彼とは個人的に知り合いになり、友情を育むことができました。佐々木さんはイタリアの歌劇場を日本にたくさん紹介してくれました。皆さん今日はご来席ありがとうございます。劇場でお会いしましょう」


以上がジャンブローネ総裁の言葉です。そしてここから音楽監督のミケーレ・マリオッティ氏が話しました。

「皆さん、こんばんは。皆さんの歓迎に心より御礼申し上げます。日本に来るのはいつも大きな喜びです。私たちの仕事のための最高のコンディションをいつも与えてくださるからです。ローマ歌劇場の“民”である人々にも感謝の意を捧げたいです。彼らはインタビューの場などからは遠いところにいますが、オペラ上演には欠かせない人たちです。合唱やオーケストラは勿論ですが、皆に愛されている(合唱指揮の)マエストロ・ヴィスコ、それからいつも助けてもらっている音楽スタッフたち、加えて事務局、衣裳、大道具、照明。彼らは我々と一緒に来日し、公演の成功のために働いています」
「そしてファンタスティックな歌手たちについて。一緒に音楽ができる仲間たち、リセット、ソニア。私はヴィットリオとは初めて一緒に仕事をします。そして今日ここに来られなかったフランチェスコ・メーリとアマルトゥブシン・エンクバート(《椿姫》ジェルモン役)。彼らとの仕事はとても大きな喜びです。私は彼らにいつもとても多くのことを頼みます。彼らとは私が望むことを全てやることが可能なのです。世界中に知られている素晴らしい歌手たちである前に、彼らは音楽家ですから。それが重要なのです」
「最後に、今回上演するオペラ作品について言及させてください。《トスカ》と《椿姫》です。これらは非常に有名なオペラで、なぜならこれらは非常に美しい作品だからです。毎回が本当に初めてのようなのです。なぜなら傑作ですから。エバーグリーンと言いますか、常にモダンで、決して平凡ではありません。毎回発見があります。毎回違う特徴やディテールをそのたびに見つけます。そして今日において、《椿姫》と《トスカ》を上演することにどのような意味があるのか。我々は今、2023年にこれらの作品の楽譜を開き、そこにどのような意味を見出せるのでしょうか?」
「申し上げたようにこれらは傑作ですが、付け加えるなら、これらは残念ながら、暴力(ヴァイオレンス)について語っている作品です。それも女性に対する。《トスカ》においては、我々は肉体的な暴力行為を目にします。ハラスメントです。スカルピアは、今回はロマン・ブルデンコさんが演じてくれますが、彼は最悪の形で権力を使います。トスカを我が物にしようとして。そしてトスカは殺人者になります。我々は決してトスカを殺人犯だとは見なしません。彼女は自由と愛のために戦った女性だと見ます。ですからパラドックスですが、我々は殺人事件を目の前にしているのですが、私たちはそれをそうだとは裁かないのです。なぜなら犠牲者に対して暴力を与えた者には、この場合決してゆるしはもたらされ無いのですから。それは戦争に対してもそうです」
「一方、《椿姫》では、ヴィオレッタが受ける暴力は、より頭脳的なというか、なんと言えばいいか、より社会的なそれです。彼女は偏見の犠牲になります。ヴィオレッタはとても強い女性です。あなたは考えるかもしれません、なぜヴィオレッタはジェルモンの残酷な提案を受け入れたのだろうと。なぜかというと、ヴィオレッタは理解するからなのです。彼女の中で。自分は死ぬだろう、自分には時間が残されていないと考えるのですね。なので彼の申し出を承諾することは、救うこと、そして同時に新しい家族を作ることだと理解するからなのです。それは別の家族であり、彼女自身がそれを得たいと思ったけれども得られなかった家族なわけです。なので彼女の受諾、つまり彼女の死には、彼女の大きな愛の行いがあるわけなのです」


熱く語るマリオッティ氏。彼に続いてオロペサさんもヴィオレッタ像に対する彼女のヴィジョンを熱心に語ります。彼女は英語で話しました。

リセット・オロペサさん(《椿姫》ヴィオレッタ役)

「マエストロ・マリオッティのこの二つの傑作オペラについてのご意見がありましたが、それに感銘を受けました。この二つのオペラはとても違うようですが共通項があります。はっきりと言えるのは、この二人の女性が巨大な力、それは社会であったり、一人の人間であったり、それぞれ違う形ではあるけれども、彼女らがそういった大きな力の犠牲者であったということです。トスカは一人の悪者の犠牲になります。ヴィオレッタは社会が敵となります。そしてそれが起こった次には、それぞれの女性が、天のゆるしを、神のゆるしを乞う時がきます。彼女らは自分たちがしてしまったことに対してゆるしを求めるのです」
「ヴィオレッタの神との関係はとても複雑です。彼女は悪いことをしているという罪を抱えて、償いをしようとします。彼女はクルティザンですから。しかしその償いは受け入れてもらえない。救済は訪れません。それは彼女が自分の病と社会の犠牲になる、という形で現れてしまうわけです。結局彼女には救済はもたらされません」
「《椿姫》は悲しい物語です。さっきマエストロがおっしゃったように、音楽は綺麗で美しく、信じられないような美の世界が繰り広げられます。こんなにも悲しい物語なのに。ヴィオレッタの愛は報われず、人生は報われません。これは今日にも通じる物語です。ヴィオレッタは生きた人物なんですね。ヴェルディが書いた音楽は、そういうことを考える中で、この素晴らしいオペラが持つ意味、ロマンス、愛、そして幸福、そういったものが全て最高の美の形で歌われる。しかしそれを歌っている主人公は苦しんでいます。苦しみに悶えている。それと同時にロマンチックで美しい音楽がある。二つの相反するようなことが一つになって起きてきます。彼女は最初から最後まで戦いの中にいます。この複雑さがかえってこのオペラをとても説得力のあるものにしているのではないかと思います。この役を舞台で歌うのは大きな挑戦です。毎回歌うたびに大きな発見をいたします。そして今回マエストロの素晴らしい解釈で歌えることを何よりも幸せに思っております」


次は《トスカ》の題名役を歌うヨンチェヴァさんが発言しました。オロペサさんに続いて英語です。

ソニア・ヨンチェヴァさん(《トスカ》トスカ役)

「また来日できてとても嬉しく思っています。昨年、東京文化会館でコンサートをしました。初来日だったのですが、とても温かい歓迎を受けました。オペラを日本で歌うのは今回が初めてとなります。素晴らしい舞台装置、衣裳、同僚の歌手たち、マエストロ、イタリアを代表する素晴らしい二つのオペラの一つに出演できて嬉しいです。ローマ歌劇場と共演するのも初めてです。しかもイタリアを象徴するようなレパートリーに参加させていただき、ゼッフィレッリさんの素晴らしい演出で出演できてとても幸せです」
「トスカ役は何度も歌ってきました。歌うたびに驚かされます。私は彼女をこう思うのです。彼女はとても若く、無邪気で、情熱的、大きな愛をマリオに抱いていて、それを守ろうとする女性だと。《椿姫》同様《トスカ》にも、大きな愛、大きな情熱、神との関わりも出てきます。オペラはたくさんの価値を私たちに教えてくれます。これからの若いジェネレーションにも伝えていきたいです。それゆえに皆さんにもお礼を言わせてください。私たちに注目して今日ここに来てくださったのですから。私たちとコラボレーションするために」
「最後に、NBSさんが呼んでくださったことに感謝します。私は日本が大好きなので。食べ物も人も大好きです。《椿姫》チーム、《トスカ》チームの、もっともイタリアンなこのプロダクツの中に、ブルガリア人である私が参加していることも、とても誇りに思っています」


最後にテノールのグリゴーロさんが発言を求められます。グリゴーロさんは途中までは英語で、そして途中からはイタリア語になったりしながら、熱弁をふるいました。

「また日本に来られて幸せです。ここにいらっしゃるような音楽家たちとステージを分け合えて、マエストロとも《トスカ》で共演できて嬉しいです。《トスカ》は僕にとって宝物です。僕は小さな時からこのオペラを演じたいと夢見ていたので。1990年にその夢がまず叶ったのは、僕が牧童としてルチアーノ・パヴァロッティと共演した時でした。そして長年待って、メトロポリタン歌劇場でこのオペラを歌った時には、相手役は君だったよね、ソニア。僕のロール・デビューはソニアと一緒でした。だから《トスカ》は僕にとって思い出であり、夢であり、チャレンジであり、あらゆることを意味します。僕の人生の中の大事なキャラクターなのです。僕自身もこの役を演じる時よって違います。相手役や、演じる場所、演出家、マエストロ、などによって。同じ《トスカ》はありません。私自身も昨日の私とは違うからです。人生は常に多くの体験を積むもの。このキャラクターは6年前に歌ってから今はもう違います。良いことも悪いこともさまざまな経験を重ねて。この役はスコアから飛び出して皆さんの元に届くのです」
「イタリアのメロドランマ(=オペラ)というのは何よりもまずrecitar cantando(歌で演ずる)です。歌って、演技して、ではありません。そこにアーティストであるかどうかの違いが出ます。演技をする時に、苦しみを扱ったり、私たちの人生の中のある時を舞台の上で表現します。舞台の上だけけの作り事ではなく。これはとても重要です。時には、俳優であることが歌の困難を助けてくれます。これは今の若い人たちにも重要なことです。彼らは歌の技術ばかり気にかけていますが、エモーションを感じなければ、言葉を追わなければ、歌の意味が伝わらないでしょう。とても重要なことなんです。僕が思うに我々は皆、演じているのです。だから役者には大きな力がある。オペラ歌手が持っていない力を。例えば役者は「essere o non essere(=to be or not to be。セリフとしてしゃべってみせる)」を自分の間合いで言うことができます。でもオペラにはテンポがあって(と机を叩く)、「essere o non essere(と歌う)」と、感情を表現するにもオーケストラや音楽の指定があります。アーティストは楽譜の中で表現しなければならない。ですからアーティストにとってその小節の中で自分自身を表現するのはどれだけ難しいか想像してください。しかもマエストロを困らせないようにして。それも重要です。なぜならマエストロはアーティストと聴衆を繋いでいるのですから。偉大なるマエストロはアーティストの舞台上における表現を観客に届けます。偉大なるアーティストの届けたいメッセージを共有してくれるのです。何かを一緒に言うために。そうでなければ音楽は単なるソルフェージュになってしまうでしょう」
「最後に、素晴らしい音楽家たちと舞台に立てることが嬉しいです。そしてジャンブローネ総裁は劇場のために戦ってくれています。素晴らしい歌劇場のメンバー、欠かすことのできない人々のために。何よりもここで声を大にして言いたいのは、ソニアと組んで素晴らしい《トスカ》を皆様にお届けできると思っていますし、それから《椿姫》も素晴らしい公演になると思いますが、大事なのはつながりではないでしょうか。現代において人と人とのつながり、人々が本当に満ち足りた気持ちになれるような繋がりが失われてしまっているのではないかと思うのです。触感、聴くこと、香りをかぐこと。現代人はスマホとか、そういうものに頼ってしまって実際の感覚を失ってきています。《トスカ》のセリフにある「こんなにも人生を愛したことはなかった」のように、土の香り、彼女が砂を踏む音、彼女を抱きしめたことなどを思い出すことができるかどうか。そういう意味でも、今回ローマ歌劇場とともに、手で触れられるような、生きている感覚がある、そういったオペラを皆さんにお届けできるように、その生きた感触を皆さんに感じていただきたい、と思っております」


それぞれのアーティストのコメントの後には記者たちから自然に拍手がおくられていました。

ローマ歌劇場2023年日本公演開幕記者会見


ここで予定されていたスピーチは終わりましたが、その後の質疑応答の中で、幅広い年齢のオペラ・ファン、クラシック・ファンを増やすために、特に若い人たちに向けてオペラの魅力を一言ずつ皆さんからいただきたい、という質問がありました。

まずはマリオッティ氏が答えます。
「若い人たちはオペラに来るべきです。なぜなら、オペラは若い人たちの話だからです。これらは彼らの物語なんです。オペラという芸術形態は、私たちの親愛の情、私たちの愛について語るものですから。それはパートナーとの関係、両親との関係、子供達との関係などを指します。ですからオペラは決して古くなりません。我々は劇場に行くごとに、毎回、オペラと一緒に新しくなり続けるのです」

ローマ歌劇場2023年日本公演開幕記者会見

そして、先ほど若いジェネレーションについて言及したヨンチェヴァさんはこう述べました。
「それは私もよく考える問題です。オペラはとても多くの興味深いストーリーを持っています。多くの場合は悲劇ですが、時にはとても楽しい物語もあります。オペラは私たちに様々な価値を教えます。オペラは私たちにリスペクトを教えます。真の愛も。親として子供達に色々なものの価値を教える時にも、クラシック音楽ほど有用なものはないと思っています。私の息子の一人が小学校に通い始めたんですが、先生が「君たちが愛するスーパーヒーローは誰だい?」って質問したんですね。そうしたら彼は、私や彼の父親の世界にそれまでずっといたので、「ヴェルディ、プッチーニ、モーツァルト!」って答えたんです。そこで私は気がついたんです。私がクラシックの歌手をしている親なのだから、子供のスーパーヒーローの答えはこれでいいんだと。このエピソードをお話ししたのは、我々は親として、もしくは大人として、若い人たちに音楽の価値を伝えて誘っていくことが大事だと思うのです。そしてコンサートホールにおいて、グリゴーロさんがさっきおっしゃったように、実際に触れる、という感覚も教えるべきです。先生方は概して、厳しい言葉で生徒たちを従わせようとするものですよね。クラシック音楽は、厳しい言葉も使わずに、規律を自然に教えてくれます。それは子供たちの健康にどれだけ良い影響を与えるか。いえ、大人にとっても、メンタル・ヘルスに大きな役割を果たすことができると思います」


壇上の皆さんはまだまだ話したいことがありそうでしたが、この辺りで時間となり、その後、フォトセッションを経て会見は閉会となりました。

ローマ歌劇場2023年日本公演開幕記者会見

この記者会見に参加して、傑作オペラの力、舞台芸術の力を深く信じるアーティストたちの姿勢に感銘を受けました。今回のローマ歌劇場の舞台から、何を受け取ることができるかますます楽しみです。

取材・文:井内美香  / photo: Naoko Nagasawa

ローマ歌劇場 2023年日本公演
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲/ソフィア・コッポラ演出
《椿姫
2023年9月13日(水)15:00 東京文化会館
2023年9月16日(土)15:00 東京文化会館
2023年9月18日(月・祝)15:00 東京文化会館
上演時間:約3時間30分(休憩3回含む)
 
指揮:ミケーレ・マリオッティ
アルフレード:フランチェスコ・メーリ
ヴィオレッタ:リセット・オロペサ
ジェルモン:アマルトゥブシン・エンクバート
 
ジャコモ・プッチーニ作曲/フランコ・ゼッフィレッリ演出
《トスカ》 
日時・会場:
2023年9月17日(日)15:00 神奈川県民ホール
2023年9月21日(木)15:00 東京文化会館
2023年9月24日(日)15:00 東京文化会館
2023年9月26日(火)15:00 東京文化会館
上演時間:約3時間(休憩2回含む)
 
指揮:ミケーレ・マリオッティ
カヴァラドッシ:ヴィットリオ・グリゴーロ
トスカ:ソニア・ヨンチェヴァ
スカルピア:ロマン・ブルデンコ

■問い合わせ:NBSチケットセンター(月-金 10:00~16:00 土日祝・休)03-3791-8888
■公式サイト:https://www.nbs.or.jp/stages/2023/roma/

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