
『影のない女』といえば、ドイツオペラを代表するリヒャルト・シュトラウスの名作であり、これまで歴史的な“復活”を象徴するシーンで幾度も上演されてきました。今まさにアフターコロナの時代にふさわしい、舞台芸術・パフォーミングアーツの完全復活を象徴する公演として、公益財団法人東京二期会とドイツのボン歌劇場が共同制作する『影のない女』が、2024年10月24日(木)より東京文化会館にて上演されます。

世界的オペラ演出家ペーター・コンヴィチュニーによる「活きたオペラ」が今ここに!
今作の演出を手掛けるのは、世界的オペラ演出家ペーター・コンヴィチュニー氏。彼は1980年代から現在にいたるまで、革命的な手法でオペラを演出し、現代にも通用するリアリティをもったドラマを生み出すことで聴衆に常に新しい衝撃と感動を与えてきました。東京二期会でも過去5回にわたり演出を手掛けており、その度に必ず自ら来日し、日本のキャストとも1カ月以上にわたる綿密な稽古を重ね、世界中の劇場でも例を見ないほどの完成度の高い舞台を作り上げてきました。
さて、数々の記念碑的なシーンを飾る演目として上演されてきた『影のない女』ですが、その作品の規模は極めて大きく、実は上演の難度は非常に高いもの。今回の東京二期会での上演は、国内でも貴重な機会と言えるでしょう。さらに、コンヴィチュニー氏にとっても、この作品の演出は初めてであり、氏がこの新たな挑戦に向けてどのような方向性で取り組むのか?オペラファンのみならず、全ての舞台を愛する劇場ゴーアーにとって、大変興味深いところです。
『影のない女』公演の開幕1か月を前に、稽古場見学とコンヴィチュニー氏の囲みインタビューが行われ、その意向を少しだけ知ることができました。
困難な状況下にこそ“ユーモア”を
コンヴィチュニー氏は、「この作品のオリジナルのままでは非社会的であり、女性蔑視を含む作品になってしまう。今日の演出ではそういったことはすべきではない。」と、劇場の役割について強調。「この作品を通じて『どんな難しい状況でも、それをユーモア的な視線で見ることの大切さ』を伝えたい。」と語ります。

この日に集まったプレス陣からは、多岐にわたる質問が氏に投げかけられました。その一つ一つに丁寧に耳を傾け、熱意に満ち且つ温かい眼差しで言葉を返します。
まだオペラを鑑賞する前ですが、氏のオペラにかける思いや姿勢に、既に感動をおぼえてしまうのでした。
指揮を務めるのは、彼と長年にわたり世界各地で協働してきたアルゼンチン出身の俊英アレホ・ペレス氏です。ペレス氏は、ザルツブルク音楽祭やヨーロッパの主要な劇場で活躍してきた実力派の指揮者で、東京二期会とも昨年宮本亞門演出『午後の曳航』に続いての登場となります。

ぜひ皆様も劇場に足を運び、この名タッグが魅せる現代に響く「活きたオペラ」を体感されてみては如何でしょうか。

公演情報
影のない女
https://nikikai.jp/lineup/die_frau_ohne_schatten2024/
また、関連イベントのTokyo Oper Days(10月18日~27日開催)における、大小様々なイベントにも注目です。
公演情報
Tokyo Oper Days
https://nikikai.jp/event_1/tokyooperadays2024.html
取材・文:オペラ・エクスプレス 編集部 / 写真:長澤直子



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