オペラ・エクスプレス

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【インタビュー】大島莉紗(パリ国立オペラ座管弦楽団・ヴァイオリ二スト)

オペラ・エクスプレスのブックマークに入っているブログの一つ、“ヴァイオリニスト大島莉紗~パリ・オペラ座からの便り~”の大島莉紗さん。現在、パリにお住まいですが、ご縁があって、東京でお話を伺うことができました。今後のご予定としては、12月に英Quartz社よりプロコフィエフ作品のCDを発売予定ということです。


Q:どのようなきっかけでヴァイオリンを始めたのでしょうか?

A:近所のお友達がヴァイオリンを始めるということで、誘われて一緒に始めたというのがきっかけでした。4歳くらいの頃です。

Q:ご家族もヴァイオリンを?

A:いいえ、音楽とは一切関係ありません。しかし何か夢中になれる物を見つける意味で、習い事をさせたかったようです。

Q:その後はヴァイオリン一筋に。

A:はい、そうですね。小学校一年生くらいのときに、一度ピアノを始めたことがあるのですが、両手一緒に弾く事ができずにすぐに止めてしまいました。ヴァイオリンの方が好きでした。

Q:どういうきっかけで海外へ?
最初からフランスを目指していらっしゃったのでしょうか?

A:学生の頃から外国で勉強したいなぁと思っていました。大学の時にウィーンに留学するつもりだったのですが 、習う予定だった先生が倒れてしまい断念しました。その後、イギリスにいる先生に出会いました。

Q:では、最初はイギリスに留学を?

A:そうです。イギリスでは2年間大学院へ行き、その後オーストリアのグラーツの大学にも通いました。

Q:今の仕事はどのように見つけましたか?

A:ドイツでオーケストラの雑誌が発行されており、そこに世界各地のオケの募集が掲載されていたので応募しました。今ほどネットでの情報が得られなかったので、その雑誌を毎月購読していました。しかしオーディションがあっても日本人が招待状を得るのは難しいです。

Q:パリの一般市民の音楽活動について。演奏会はさかんに行なわれていますか。

A:日本と違って、パリはコンサートホール自体が少ないので、一般市民がみんなでどこかを借りて演奏会・・・というのは、あまりないと思います。仲間内でというのはあるのかもしれないですけれど。
また、一般市民はあまり音楽に親しんでないという感じがします。学校教育でも音楽は必修ではないようなので、楽譜が読めない人も結構います。お稽古ごとの盛んな日本の方が、意外と情操教育が盛んなのかもしれないですね。

Q:オペラをやっていて、最近、面白いエピソードがありましたか?

A:最近※、ベルリオーズの《ファウストの劫罰》をやっていたのですが、演出にかなり奇抜な部分があり、初日のブーイングが物凄かったです。フランス人は演出に対する興味が高いので、舞台に対して厳しい目で評価します。しかし音楽に対する批判は少ないのです。演出家もそのような客席の反応を楽しんでいるのではないでしょうか。

Q:一つの演目に対して、稽古期間はどのくらいですか?

A:稽古期間は3週間くらいで、公演は10回くらい。一ヶ月ほど続きます。午前中に次の公演の為の練習を行い、夜は前から続いていた公演の本番。午後にはなかなか予定が入れられないです。本番のために身体を整えないといけないとかいうのは、アスリートと同じですね。

Q:日本でも、若者の劇場離れが深刻です。パリには、若い人を呼び寄せるプログラムはありますか?

A:オペラ座では今シーズン※から、新しく若者の日というのが出来ました。初日の前のドレスリハーサル(最後の通し稽古)を、若者のために安価(3000円程度)で開放するというものです。28歳以下であればどなたでもチケットが買えます。3000席近くありますが、満席になるので、効果があるかなと思います。今、映画館でオペラを見てもそのくらいしますので、生でこの値段で見れるのはお得です。

(※2015年12月末のインタビュー時点での情報です)

取材・文:長澤直子


大島莉紗 (ヴァイオリン)大島莉紗 (ヴァイオリン)

桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ソリストディプロマコース終了。その間、小林健次氏に師事。1997年より文化庁在外派遣研修員として、英国王立音楽大学大学院に留学し、フェリックス・アンドリエフスキー氏、トーマス・ツェートマイアー氏に師事。在学中、女性として初の受賞となるユーディ・メニューイン賞をはじめ、イアン・ストーツカー賞、イゾルデ・メンゲス賞などヴァイオリンにおけるすべての賞を受賞。ローム・ファンデーションおよび同大学から奨学金を受け、1999年同大学院を過去最高点の首席で卒業する。

2000年5月、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールで開催されたカークマン・ソサエティ主催のリサイタルでは世界的権威の弦楽雑誌<The Strad>が絶賛。同年11月、東京で開催したデビューリサイタルでは、日本国内の各音楽雑誌で高い評価を得る。 第18回リピツァー賞国際ヴァイオリンコンクール入賞、第9回ポスタッチーニ国際ヴァイオリンコンクール入賞、ヤマハ・ヨーロッパファウンデーションコンクール優勝を始め、数々のコンクールに入賞。 英国王立音楽大学交響楽団、ルーマニア・モルドヴァ交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団などとの共演、プレシャコブ国際音楽祭に招待されての室内楽コンサートなどで演奏。シュレスヴィヒ・ホルスタイン音楽祭での演奏はドイツNDRラジオで放送され、新聞紙上で絶賛された。 また、世界各国の英国大使館で行われるイギリス・ジャガー社主催のコンサートに、英国王立音楽大学長の推薦を受けて出演。ヨーロッパ各国から始まり、世界十数カ国で演奏活動を行う。

イギリス・ハレオーケストラ、スコティッシュ・チェンバーオーケストラの客演コンサートマスターを経て、2002年ドイツ・ラインランドファルツフィルハーモニー管弦楽団に入団。2003年パリ国立オペラ座管弦楽団に入団。同管弦楽団のヴァイオリニストとして、バスティーユ、ガルニエの両オペラ座で活躍。また、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の客演首席奏者として、アムステルダム・コンセルトヘボーへのコンサートツアー、ロイヤルフェスティバルホールでの定期公演などに出演。パリ・オペラ座を拠点に、ヨーロッパ各地で、ソリスト・室内楽奏者として多彩な活動を展開している。

現在、パリ在住。
ブログ「パリ・オペラ座からの便り」

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