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【オペラ暦】—7月13日—カリスマ指揮者、覚悟の死を迎える

【7月13日】カリスマ指揮者、覚悟の死を迎える

⚫️1924年、ベルゴンツィ(カルロ・-2014)、ブッセート近郊(正確にはパルマ近郊のヴィダレンツォ)で生まれています。ブッセートといえば、ヴェルディが生まれたロンコレ村とはすぐ近くのヴェルディゆかりの町。ここに、ベルゴンツィが経営している「イ・ドゥーエ・フォスカリ」という名のホテル&レストランがあります。ヴェルディ詣のツアーでは、たいがいここで昼食を食べるのがお約束。この名の由来は、彼がデビューしたオペラが『二人のフォスカリ』であったということから名付けられたもの。
⚫️1951年、オーストリア出身の作曲家シェーンベルク(アルノルト・1874-)、ロサンゼルスで亡くなっています。彼は調性を脱した無調音楽から12音技法を生み出したことでは、20世紀に最も影響を及ぼした作曲家の一人と言っていいでしょう。ナチスに追われてアメリカで国籍を取得。オペラでは『モーゼとアロン』(未完)、『今日から明日まで』が有名です。
⚫️1989年、パリのバスティーユ・オペラが落成。ガルニエ(シャルル・1825-98)設計のパリ・オペラ座にくわえて、フランス革命200年を記念してミッテラン大統領によって提案されたカルロス・オットーの設計による最新機能のオペラハウス。翌年3月17日に、ベルリオーズの『トロイアの人々』で杮落とし。
⚫️2004年、天才指揮者ともカリスマ指揮者とも呼ばれたクライバー(カルロス・1930-)が、スロヴェニアのリティア近郊コニシツァの自宅で亡くなっています。この2日前に音楽評論家のカール・シューマンに電話をかけ、自分の死亡告知を書く人間を選んでくれるように頼み、彼の死が発見されたのは2日後の15日に隣人によって発見されたのです。(資料:メルラン著『偉大なる指揮者たち』)(誕生日の7月3日の項参照)
⚫️2014年、アメリカの名指揮者マゼール(ロリン・1930-)が、アメリカのヴァージニアで亡くなっています。わずか9歳でオーケストラを指揮し、さらにヴァイリニストとしてデビューするなど、神童の名をほしいままにした人でした。その後、ウィーン国立歌劇場の総監督などを務め、日本にも1963年以来たびたび訪れ、最後の来日公演は2013年のミュンヘン・フィルを率いてのものでした。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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