オペラ・エクスプレス

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【公演レポート】藤原歌劇団創立80周年記念公演《ファルスタッフ》

藤原歌劇団が上演したヴェルディ《ファルスタッフ》を観てきました。感動しました!!!

このオペラは藤原歌劇団創立80周年記念公演の一環として上演されました。イタリア・オペラが多い藤原ですが、《ファルスタッフ》を取り上げるのは今回が初めてとのことです。

シリアスなオペラを数多く書いた巨匠ヴェルディが最後に作曲したのは飛び切りの喜劇でした。ボーイトの台本もヴェルディの作曲も洗練の極みで、演奏するのが難しいと良く言われます。今回の公演プログラムに指揮者アルベルト・ゼッダ氏が寄稿した『ファルスタッフ〜夢と現(うつつ)の狭間で』によれば、《ファルスタッフ》はオペラの歴史上で、モンテヴェルディが一度実現した「音楽と詩を完璧な調和で結びつけること」を、2世紀半たってやっと再び成し遂げた作品なのだそうです。

藤原歌劇団創立80周年記念公演《ファルスタッフ》

藤原歌劇団創立80周年記念公演《ファルスタッフ》第3幕より
ファルスタッフ:牧野正人

演出は粟國淳。原作者シェイクスピアが活躍したグローブ座の雰囲気を伝える舞台装置に鮮やかな衣裳。そして登場人物達の動きも演劇的に充実したものでした。笠原俊幸の照明も音楽的で美しかったです。主演した歌手達は皆さん声のコンディションも良かったように感じましたし、アンサンブルも優れていました。タイトルロールのファルスタッフを歌った牧野正人は何をやっても憎めないキャラクター。堀内康雄は気品のあるフォード。アリーチェの大貫裕子は女性としての魅力がしっかり表現された歌、ナンネッタは第三幕のアリアが瑞々しかった光岡暁恵、そして他のキャストと合唱にも共通していたのは「音楽と詩を結びつけた」歌でした。

オーケストラは東京フィルハーモニー、指揮はゼッダ。ゼッダはロッシーニの権威として広く名前を知られていますが、長いキャリアの中ではバロックから現代まで幅広い音楽を指揮しています。経験から培われた様式感、オーケストラや歌手を歌わせる力、そして何より、晩年のヴェルディが「音楽に遊ぶ」という境地に達したように、ゼッダの紡ぎだす音楽には生きる喜びそのものが描き出されているようで、その芸術の高みに触れる幸せを感じた公演でした。
(所見1月24日)

reported by Mika Inouchi  photo: Naoko Nagasawa

藤原歌劇団創立80周年記念公演《ファルスタッフ》

藤原歌劇団創立80周年記念公演《ファルスタッフ》第3幕より

藤原歌劇団創立80周年記念公演
《ファルスタッフ》
全3幕 字幕付き原語上演

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
台本:アッリーゴ・ボーイト

2015年1月24日(土)、25日(日)15:00開演
東京文化会館大ホール

指揮:アルベルト・ゼッダ

演出:粟國淳

出演
(1月24日)
ファルスタッフ:牧野正人
フォード:堀内康雄
フェントン:小山陽二郎
アリーチェ:大貫裕子
ナンネッタ:光岡暁恵
メグ・ページ:向野由美子
クイックリー夫人:森山京子
カイウス:川久保博史
バルドルフォ:岡坂弘毅
ピストーラ:伊藤貴之

(1月25日)
ファルスタッフ:折江忠道
フォード:森口賢二
フェントン:中井亮一
アリーチェ:佐藤亜希子
ナンネッタ:清水理恵
メグ・ページ:日向由子
クイックリー夫人:牧野真由美
カイウス:所谷直生
バルドルフォ:曽我雄一
ピストーラ:小田桐貴樹

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:藤原歌劇団合唱部

合唱指揮:須藤桂司
美術:横田あつみ
衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ
照明:笠原俊幸
字幕:本谷麻子

総監督:岡山廣幸
制作:公益財団法人日本オペラ振興会

主催:公益財団法人日本オペラ振興会/公益社団法人日本演奏家連盟
後援:TOKYO MX/tvk/千葉テレビ/テレビ埼玉

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