オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—9月16日—20世紀最大の歌姫カラス、亡くなる

【9月16日】20世紀最大の歌姫カラス、亡くなる

⚫️1899年、オーストリアの指揮者スワロフスキー(ハンス・-1975)が、ブダペストで生まれています。キャリアは違いますが、日本で言えば斎藤秀雄的な存在で、指導者としてその後の音楽界を背負って立つ指揮者を指導したことの功績が大でした。(亡くなった日の9月10日の項参照)
⚫️1912年、なんとなく『道化師』一本みたいに思われがちなレオンカヴァッロ(ルッジェーロ・1857-1919)ですが、オペラ作品は結構残しています。その中でこの『ズィンガリ(ジプシーたち)』は珍しく、この日ロンドンで初演されています。プーシキン(アレキサンドル・1799-1837)の物語詩を題材にしたもので、ジプシーの娘と彼女に憧れる王子の恋物語。
⚫️1945年、アイルランド出身のアメリカのテノール歌手マッコーマック(ジョン・1884-)、ダブリンで亡くなっています。20世紀を代表するテノールの一人であるにもかかわらず、今日ではほとんど知られなくなりました。彼の故郷であるアイルランド民謡は絶品であったと言われています。(誕生日の6月14日の項参照)
⚫️1966年、アメリカの作曲家バーバー(サミュエル・1910-81)『アントニーとクレオパトラ』が、メトロポリタン歌劇場で初演。この日、同劇場が新しくなったその記念公演として上演されたのです。原作はもちろんシェイクスピア(ウイリアム・1564-1616)で、これをゼッフィレッリ(フランコ・1923-)が3幕の台本に仕上げました。
⚫️1977年、ギリシャの名ソプラノ歌手カラス(マリア・1923-)が、パリで亡くなっています。そのドラマティックな歌唱と演技力は、多くのオペラ・ファンを魅了しました。また彼女ほど、オペラ界以外でも大きな話題になった歌手はいないでしょう。彼女は、今まで埋もれていた作品も復活上演し、日本には1973年に、かつての恋人ともいわれたディ・ステーファノ(ジュゼッペ・1921-2008)を伴ってコンサートを行っています。今年で没後38年とは、早いものです。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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