オペラ・エクスプレス

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【RESONATION】始動!日本のオペラ界に新風を吹き込む若手プロダクションの共鳴

【RESONATION】始動!日本のオペラ界に新風を吹き込む若手プロダクションの共鳴

この秋、2つの若手オペラカンパニーがオペレッタを上演する。
それぞれが趣向を凝らした公演を手がけているが、今回の2公演は、【RESONATION】という新しい枠組みに参画しているそうだ。
「共催」でも「コラボレーション」でもない【RESONATION】とはいったいどのような取り組みなのか。まずはそれぞれの公演を紹介したい。


2015年に設立し、NPO法人化から5年を迎えるVivid Opera Tokyoが上演するのは《こうもり AnotherWorld》だ。3回目の上演という『こうもり』、今回のキーワードは“光と闇”。バリトン歌手としても活躍する塙翔平の演出に加え、照明アーティストの渡邉菜見子、振付師/ダンサーの中村駿を招聘し、「ネオ大正」という架空の時代の日本を舞台に、ボーダーレスな社会が作る光と闇を描き出す。
指揮台に立つのは玉崎優人。世界三大劇場として名高いアルゼンチンのコロン劇場で研鑽を積んだ、新進気鋭の指揮者だ。歌手陣も下村将太(アイゼンシュタイン)、藤井冴(ロザリンデ)、木田悠子(アデーレ)、村松恒矢(ファルケ)、小野寺光(フランク)など若い世代を代表する手厚いメンバーで構成されており、サウンドだけでなく演技にも期待感が高まる。


一方Novanta Quattro(以下NQ)は2022年に設立されたオペラカンパニーだ。原作を活かしつつも斬新で意欲的な演出、美しい舞台美術、若手を多く起用した勢いのある舞台は高い人気を誇り、近年注目度を上げている。そんなNQが取り組むのは《天国と地獄─101年目の浅草オペラ》だ。名作オペレッタ『天国と地獄』を題材に、浅草オペラが隆盛した大正時代の日本に舞台を移す。
谷本喜基の音楽づくりは遊び心に富んでいて、喜劇作品にぴったり。ヨーロッパでの経験も豊富な金沢貴恵(ユリディス)や又吉秀樹(ジュピテル)を筆頭に、山下未紗(世論)や鷹野景輔(オルフェ)ら活躍の場を広げる歌手たちが舞台の核となる。草野七海(ユリディス)、原優一(オルフェ)など、NQ初登場となるフレッシュな顔ぶれも実力者揃いだ。演出はこれまでにも同団体の演出を手掛けてきた吉野良祐。美しい舞台作りが魅力の彼が、活気に満ちた浅草オペラの様子を描き出す。


これらの2公演は、オペレッタを取り上げつつ、日本を舞台に読み替えて上演するという共通点がある。そしてその両公演を結びつけるのが、【RESONATION】という取り組みだ。多様なエンタメコンテンツが溢れる現代において、オペラが持つ芸術的/社会的価値を継承し、進化させることを目指すというこのプロジェクト。若手プロダクションの共鳴を通じて、業界に新たな波を起こそうとしている。これらの団体が横のつながりを持つことで、各々の団体の個性は生かしつつ、弱みは補い合い、技術連携によって人材や技術、物的資源といった運営資源の拡張を可能にするだろう。

《こうもり AnotherWorld》と《天国と地獄ー101年目の浅草オペラ》は、それぞれ完全に独立した公演でありながら、様々な面で手を取り合い、互いの公演の質を高めていく。
彼らが巻き起こす”波”がどこまで大きくなるのか。
この2公演を鑑賞して、オペラ界に生まれつつある新たな波を体感してみてはいかがだろうか。


公演概要

【NPO法人Vivid Opera Tokyo】
クラシック⾳楽アーティストを中⼼に他業界のプロフェッショナルも招き⼊れ結成されたオペラ企画/制作団体。「より良く」をビジョンとして掲げ、オペラというソリューションを通して⼈々の⼼に働きかけ、オペラ⽂化だけでなく、社会そのもののアップデートを⽬指し活動を展開。2019 年のNPO 法⼈化以降、年2 回程度のペースで主催公演を重ね、新進気鋭のオペラプロダクションとして⾼い評価を獲得。

《こうもり AnotherWorld》
日時:2024年9月4日(水)19:30開演
会場:座・高円寺2
主催: NPO法⼈Vivid Opera Tokyo
協⼒: Novanta Quattro
制作協⼒:ARTORUS株式会社
助成: 公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京 [東京芸術⽂化創造発信助成]
公演特設サイト:https://vividoperaticket.wixsite.com/koumori-aw-2024

出演:
指揮 ⽟崎優⼈
ピアノ 清⽔史
演出/脚本 塙翔平

アイゼンシュタイン 下村将太
ロザリンデ 藤井冴
アデーレ ⽊⽥悠⼦ ほか


【Novanta Quattro】
オペラの、新しい現在地へ。
Novanta Quattro は、2022 年に活動を開始したオペラ・カンパニー。30 歳前後の若い世代の演奏家・表現者を中⼼にオペラ公演事業を展開する。作品本来の価値を重視しつつも、創造的でオリジナリティのある創作スタイルを重視している。

《天国と地獄─101年目の浅草オペラ》
作曲:J.オッフェンバック
⽇時:2024年9⽉28⽇(⼟)14:00/18:30開演 ※2公演
会場:ムーブ町屋ムーブホール
主催:Novanta Quattro
協⼒:NPO法⼈Vivid Opera Tokyo
助成:公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京 [スタートアップ助成]
公益財団法⼈ヤマノ⽂化財団 
公益財団法⼈朝⽇新聞⽂化財団
公演特設サイト:https://opera94nq.wixsite.com/orphee-aux-enfers

出演:
指揮 ⾕本喜基
演出 吉野良祐

ピアノ ⽯川美結/⼭下百恵
ユリディス ⾦沢貴恵/草野七海
オルフェ 鷹野景輔/原優⼀
ジュピテル ⼜吉秀樹 ほか


◆問い合わせ
【RESONATION 全般】
 ARTORUS株式会社 (担当:溝⼝) yutaka_mizoguchi@artorus.net

【Vivid Opera Tokyo 全般及び公演について】
 NPO法人Vivid Opera Tokyo (担当:⽵内)  taketenore@mikainouchi

【Novanta Quattro 全般及び公演について】
 Novanta Quattro (担当:柴⽥)  opera94nq@gmail.com

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