オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—9月9日—ロシアの文豪トルストイは、オペラがお嫌い

【9月9日】ロシアの文豪トルストイは、オペラがお嫌い

⚫️1828年、ロシアの世界的文豪トルストイ(レフ・-1910)が、ヤスナヤ・ポリャーナで生まれています。彼自身オペラは大嫌いで、チャイコフスキー(ピョートル・イリイチ・1840-93)にもオペラを書くことをやめるように忠告したとも言われています。しかし、皮肉な事に彼の代表作『戦争と平和』はプロコフィエフ(セルゲイ・1891-1953)が、『復活』はアルファーノ(フランコ・1875-1954)がオペラ化しています。地下のトルストイは何を思ったのでしょうか。
⚫️1833年、ドニゼッティ(ガエターノ・1797-1848)『トルクァート・タッソー』が、ローマのテアトロ・ヴァッレで初演されています。題名のタッソー(トルクァート・1544-1595)は、1544年に生まれたイタリア・ルネサンス最大の詩人で、その生涯は波乱に満ちたものでした。彼の叙事詩はバロック・オペラの題材となり、リュリ、ヘンデルなどのオペラにも取り上げられ、さらに彼を題材にしたゲーテの戯曲なども残されています。
⚫️1960年、スウェーデンのテノール歌手ビョルリンク(ユッシ・1911-)が、ストックホルム近郊のサロで亡くなっています。彼はモーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニなどレパートリーが広く、とくにロドルフォは彼が生涯で最も多く演じた役でした。亡くなる20日前にストックホルムでコンサートを開いたのが最後のステージとなりました。(誕生日の2月5日の項参照)


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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