オペラ・エクスプレス

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「ホールとは楽器だと思っております」堤剛(つつみつよし)サントリーホール館長ーーーサントリーホール「開館30周年記念事業」発表会見レポート

「ホールとは楽器だと思っております」堤剛(つつみつよし)サントリーホール館長ーーーサントリーホール「開館30周年記念事業」発表会見レポート

2016年はサントリーホールの開館30周年!

9月16日サントリーホールにて、記者会見が行なわれました。記念事業の概要についてサントリーホール館長の堤剛氏、総支配人の市本徹雄氏からのお話がありました。

従来からサントリーホール独自の企画としてクラシック音楽ファンに親しまれている三つのフェスティバル、6月の室内楽の祭典「チェンバーミュージック・ガーデン」、8月の現代音楽の祭典「サマーフェスティバル」、そして秋には世界のトップ・アーティストによる「サントリーホール フェスティバル」があります。2016年にはこの三つのフェスティバルをこれまでにない規模と内容で展開する他、30周年記念ならではの共同主催公演、参加公演などが開催されます。10月1日(土)、2日(日)には30周年記念ガラ・コンサートが開かれ、ズービン・メータ、小澤征爾がタクトを取り、ヴァイオリンにアンネ=ゾフィー・ムター、ソプラノにチェン・ライスが出演しウィーン・フィルが演奏します。

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30周年を記念して、フェスティバル公演を対象としたお得なパスポート『プレミアム 30』が限定30名に価格30万円で発行されるそうです。発売時期・対象公演などの詳細は今年の11月に発表予定です。

オペラや声楽に関係するものでは、ホール開館30周年記念作品として、英国人作曲家マーク=アンソニー・タネージに委嘱した、古典と現代の日本文学にインスパイアされた声楽付き管弦楽のための大作が、大野和士指揮 東京都交響楽団の演奏により世界初演されるそうです。11月12日(土)。ソプラノ:ミヒャエラ・カウネ、メゾソプラノ:藤村実穂子が出演予定。

またビック・ニュースとしてはザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPANが開催され、その中の目玉として11月18日(金)、20日(日)にクリスティアン・ティーレマン指揮、ドレスデン・シュターツカペレ演奏の《ラインの黄金》が上演されるそうです。総合演出はデニー・クリエフで、数多くの名舞台を送り出したサントリーホールの〈ホール・オペラ〉の復活ともいえるイヴェントになるそうです。
© Naoko Nagasawa (OPERAexpress)_1134
サントリーホールは今後、アジア諸国との連携を深めていきたいとのことで、30周年を機に、東南アジアのハブ・エリアであるシンガポールのエスプラネードというホールで5月に、昨年の11月にサントリーホールで世界初演された古代祝祭劇 《太陽の記憶「卑弥呼」》のシンガポール公演を共同制作するそうです。

その他にも、共同主催公演として2月にはダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン(ブルックナー・ツィクルス)、5月にはサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ベートーヴェン交響曲ツィクルス)などの世界トップクラスのアーティストによるコンサートが相次いで開かれます。

サントリーホールが長年続けているオペラ・アカデミーの活動も例年通り開催されます。サントリーホール オペラ・アカデミー公演は、1月21日(木)にプッチーニ《ラ・ボエーム》がブルーローズで上演されます。出演は吉田珠代、湯浅ももこ、樋口達哉、増原英也 他。ピアノは古藤田みゆき、ナビゲーターは朝岡聡、演出は田口道子。また、オペラ・アカデミー コンサートは4月23日(土)にやはりブルーローズで開かれるそうです。

開館30年の翌年、2017年の2月から8月には閉館しての改修工事が予定されているそうです。内容としては経年劣化の修復、音響や意匠の見直し、社会的な対応の充実、最新テクノロジーの導入などが予定されているそうです。近年、特に「サマーフェスティバル」などが諸外国から高い評価を受けていることもあり、英語での発信の充実(インターネットで英語でチケットを購入できるようになるそうです)、また将来的にはネット配信なども視野に入れている、とのことで、アジア各国との連携と合わせて、日本の音楽活動を世界に発信していくリーダーとしての展開がみられそうです。

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堤剛氏(サントリーホール館長)

30周年の記念メッセージはHibiki to the World。〈世界一美しい響き〉をコンセプトに誕生した日本で初めてのヴィンヤード形式のサントリーホールは、堤館長の「私は、ホールとは楽器だと思っております」との言葉通り、これからも素晴らしい音楽を奏で続けていくことになるでしょう。

サントリーホール 開館30周年(2016年)記念 公演一覧
※クリックするとpdfが開きます※

文・井内美香 reported by Mika Inouchi / photogragh by Naoko Nagasawa

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