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新井巌の【オペラ暦】—1月11日—スタンダールが愛したチマローザ

新井巌の【オペラ暦】—1月11日—スタンダールが愛したチマローザ

【1月11日】スタンダールが愛したチマローザ

⚫️今日では『秘密の結婚』程度しか上演されないドメニコ・チマローザ(1749-)が、ヴェネツィアで亡くなったのが1801年のこの日。当時ナポリ派のオペラ作曲家として一世を風靡しました。1799年ナポリで市民が蜂起しますが、すぐに王制派に政権を奪回され、愛国的な作曲をした彼は「革命派」人物と目されて逮捕。死刑まで宣告されたのですが、友人の尽力で釈放されナポリから追放。その後ヴェネツィアに移った彼は、最後のオペラ『アリテミシア』を作曲している途中に急死したのです。その死があまりにも唐突だったためにナポリ政府によって毒殺されたという噂が広まったほどでした。スタンダールがもっとも愛した作曲家だったのも有名な話。


新井 巌(あらい・いわお)
iwao
1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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