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【オペラ暦】—9月14日—イタリアの大詩人ダンテのご命日

【9月14日】イタリアの大詩人ダンテのご命日

⚫️1321年、イタリアの国民的詩人ダンテ(アリギエーリ・1265-)が、ラヴェンナで亡くなっています。彼の代表作といえばなんといっても『神曲』で、少女ベアトリーチェの面影を追った傑作です。トマ(アンプロアス・1811-96)、ラフマニノフ(セルゲイ・1873-1943)、ザンドナーイ(リッカルド・1883-1944)によって、『神曲』の地獄編をもとにしたダンヌンツィオ(ガブリエーレ・1863-1938)の戯曲から『フランチェスカ・ダ・リミニ』がオペラ化されています。
⚫️1885年、イタリアの指揮者グイ(ヴィットーリオ・-1975)が、ローマで生まれています。トスカニーニ(アルトゥーロ・1867-1957)の招きでスカラ座を指揮し、日本では第1次イタリア歌劇団の一員として『アイーダ』を指揮しています。
⚫️1951年、ドイツの指揮者ブッシュ(フリッツ・1890-)が、ロンドンで亡くなっています。戦前は、ベルリンやバイロイトで活躍し、ナチに追われてブエノスアイレスのコロン劇場へ移っています。その後、グラインドボーンで成功を収め,さらにアメリカに渡りモーツァルトなどで高い評価を得ました。
⚫️1954年、ブリテン(エドワード・ベンジャミン・1913-76)『ねじの回転』が、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演されています。原作はジェイムス(ヘンリー・1843-1916)の同名の小説で、2人の孤児からその家庭教師が、以前いた家庭教師の亡霊から守ろうとするサイコロジックな作品。14人という小編成の室内オペラの傑作と言われています。
⚫️その翌年の1955年、ロシアのプロコフィエフ(セルゲイ・1891-1953)の5幕のオペラ『火の天使』が、同じくフェニーチェ劇場で初演されています。舞台は16世紀のドイツの魔女裁判を題材にしていますが、これは当時のソ連の政治体制を皮肉ったものとの解釈もあります。このころのフェニーチェ劇場は、上記作品も含め1951年にはストラヴィンスキー(イゴール・1882-1971)『道楽者のなりゆき』など、ほとんど毎年のごとく20世紀オペラの代表作となる作品を初演し続けたのです。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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