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【オペラ暦】—10月24日—カールマンが生まれ、レハールが亡くなった日

【10月24日】カールマンが生まれ、レハールが亡くなった日

⚫️1737年、フランス・バロック時代の作曲家ラモー(ジャン=フィリップ・1683-1764)『カストールとポルークス』が、パリ・オペラ座で初演されています。ギリシャ神話に基づいたもので、恋人を失った太陽神の娘を中心に繰り広げられ、最後は天上において双子座をつくるというお話。
⚫️1882年、ハンガリーの作曲家カールマン(イムレ・-1953)が、シオーフォクで生まれています。イムレはハンガリー読みで、ドイツ風にエメリッヒと名乗っていました。レハールとほぼ同時代のウィンナ・オペレッタの“銀の時代”に活躍し、代表作に『伯爵夫人マリツァ』『チャールダーシュの女王』などがあります。
⚫️1885年、オーストリアのオペレッタ作曲家シュトラウス2世(ヨハン・1825-99)『ジプシー男爵』が、作曲者自身の指揮によりアン・デア・ウィーン劇場で初演されています。彼が活躍した時代が、オペレッタ“金の時代”と言われていました。
⚫️1913年、イタリアのバス=バリトン歌手ゴッビ(ティート・-1884)が、ヴィチェンツァ近郊バッサーノ・デル・グラッパで生まれています。1915年生まれという説もありますが、こちらの方が正しいようです。日本人にとっては、51年初来日したイタリア歌劇団での『オテロ』におけるイヤーゴの名演が圧倒的な印象を残しました。(亡くなった日の3月5日の項参照)
⚫️1921年、旧ユーゴのソプラノ歌手ユリナッチ(セーナ・-2011)が、現ボスニア・ヘルツェゴビナのトラヴニクで生まれています。20世紀の後半から、クナパーシュブッシュ(ハンス・1888-1965)、ベーム(カール・1894-1981)、カラヤン(ヘルベルト・フォン・1908-89)などの巨匠たちに起用され、多くの名演を残しています。とくに伯爵夫人、元帥夫人、ドンナ・エルヴィーラなどを得意としていました。
⚫️1925年、イタリアの前衛作曲家ベリオ(ルチアーノ・-2003)が、オネリアで生まれています。日本では『セクエンツァ』シリーズで有名ですが、オペラでもカルヴィーノ(イターロ・1923-85)の台本による『本当の話』『耳をすます王様』などを残しています。
⚫️1948年、ウィーン・オペレッタ“銀の時代”の最大の作曲家レハール(フランツ・1870-)が、バートイシュルで亡くなっています。彼の大ヒットは言うまでもなく『メリー・ウィドゥ』であり、それに続いて『微笑みの国』などが挙げられます。妻がユダヤ人にもかかわらず、ヒトラーに優遇され、オーストリアに止まったことが戦後の彼の立場を悪くしました。(誕生日の4月30日の項参照)


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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