
9月7日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、東京交響楽団の2016/17年度シーズンラインナップ発表の記者会見が行なわれました。この会見は、音楽監督であるジョナサン・ノットの任期延長の発表も兼ねて行なわれたものです。ノット氏は2026年3月まで任期を延長し、今後10年にわたり、パートナーシップを継続するということが公表されました。

オペラファンとしての一番の期待は、《コジ・ファン・トゥッテ》が、演奏会形式で上演されることです。舞台監修には、あの名バリトン、サー・トーマス・アレンの名前が挙がっています。この公演では、ノット自身がハンマーフリューゲルを弾くということで、それもまた一つの楽しみとなっています。他に、桂冠指揮者ユベール・スダーンが指揮する、ベルリオーズの《ファウストの劫罰》も聴きものです。
東京交響楽団 2016年度演奏会プログラム
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音楽監督ジョナサン・ノット指揮
演奏会形式オペラ‐モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》
ノット自らハンマーフリューゲルを演奏
2016年12月9日(金) ミューザ川崎シンフォニーホール
2016年12月11日(日) 東京藝術劇場
ジョナサン・ノット(指揮)
東京交響楽団(管弦楽)
サー・トーマス・アレン(舞台監修)
フィオルディリージ:ミア・パーション
ドラベッラ:マイテ・ボモン
デスピーナ:ヴァレンティナ・ファルカス
フェルランド:ショーン・マシー
グリエルモ:マルクス・ウェルバ
ドン・アルフォンソ:サー・トーマス・アレン
合唱:新国立劇場合唱団
東京交響楽団では、全てのことがエキサイティングでクレイジー!この記者会見までもがクレイジーだと、私はそう思いました。
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素晴らしいオーケストラにこのホール、そして、ファンタスティックなオーディエンスの皆さん!私にとって東京にいるという経験は素晴らしく、こちらでの色々な事柄が好きです。この雨も好きですし、とにかく東京の皆様の間でこうやって存在することが大好きなんです。この東京にいるということだけで、私は大きな喜びを感じます。私はこの都市に、音楽作りのあるべき姿を感じているのではないかと思います。
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音楽を分かち合うということは、人生そのものを分かち合うことだと私は思っております。
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私はオペラのコンサート形式の演奏というものが大好きです。オーディエンスの皆さんと一対一で向かい合い、まるで昔の吟遊詩人が直接に歌いかけてくれるようなシチュエーションが、私はとても好きなのです。これは、歌手が遠くに配置されている通常のプロダクションでは、難しいことです。
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ピットに隠れていないということは、より参加度が高くオペラに臨めるのです。今回楽しみなのは、全てのレチタティーヴォを私がハンマークラヴィーアで演奏します。ですから、オーケストラと一丸となって、お客さまを巻き込みながら共にコンサートを作って行くという、特別なものになるのではないかと期待しております。
取材・写真: 長澤 直子
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