ゴールデンウィークの始まりの4月28,29日、川崎市のテアトロ・ジーリオ・ショウワで、ロッシーニのオペラ、《ラ・チェネレントラ》の上演が行われました。
ベルガモのドニゼッティ歌劇場の芸術監督を長く務めたフランチェスコ・ベッロットさんが演出を担当され、シンデレラのおとぎ話としての部分が、沢山取り入れられていました。巨大な本の中から登場人物たちが現れるという舞台装置が、童話の世界に観客を惹き込みます。美しい衣裳も見どころでした。
(舞台美術:アンジェロ・サーラさん/衣裳:アルフレード・コルノさん)
指揮の園田隆一郎さんは、台詞の部分の伴奏もフォルテピアノで担当し、管弦楽のテアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラをまとめあげます。
4月29日組の舞台から
童話のシンデレラとは異なり、チェネレントラは、意志の強い女性として描かれています。姉達や父をからかうようなシーンも。
コミカルな展開もロッシーニのブッファならでは。偽の王子ダンディーニを本物の王子と思ってすがりつく姉妹が、客席の笑いを誘います。
オペラの進行案内役(?)は、4匹のネズミたち。哲学者で王子の教育係のアリドーロは、魔法使い(?)に変身して、アンジェリーナの夢を叶えます。
このオペラの合唱は、男声合唱のみ。藤原歌劇団合唱部は、テンポ良く動きも軽快に、歌に演技にと大活躍です。
そして、ドン・ラミーロがアンジェリーナを探しに行くために乗る、おもちゃのような車。後でひっくり返るのもうなづけます。
アンジェリーナはマニーフィコと姉たちを許し、辛かったこれまでの暮らしと幸せ一杯の今を歌うのでした。一同が二人の結婚を祝福する中、めでたしめでたしで、オペラは幕を閉じます。
全2幕/原語(イタリア語)上演・日本語字幕付き
2018年4月28日(土)29日(日)各14:00
テアトロ・ジーリオ・ショウワ
指揮:園田隆一郎
演出:フランチェスコ・ベッロット
出演:
【4/28】アンジェリーナ:向野由美子/ドン・ラミーロ:小堀勇介/ドン・マニーフィコ:谷友博/ダンディーニ:押川浩士/クロリンダ:光岡暁恵/ティーズベ:米谷朋子/アリドーロ:伊藤貴之
【4/29】アンジェリーナ:但馬由香/ドン・ラミーロ:山本康寛/ドン・マニーフィコ:柴山昌宣/ダンディーニ:市川宥一郎/クロリンダ:横前奈緒/ティーズベ:吉村恵/アリドーロ:上野裕之
藤原歌劇団合唱部
テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
合唱指揮:山舘冬樹
舞台美術:アンジェロ・サーラ
舞台美術補・衣裳:アルフレード・コルノ
照明:クラウディオ・シュミット
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