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おとぎ話の「シンデレラ」がオペラに!夢と魔法がいっぱいのマスネ《サンドリヨン》がMETライブビューイングに登場

おとぎ話の「シンデレラ」がオペラに!夢と魔法がいっぱいのマスネ《サンドリヨン》がMETライブビューイングに登場

今シーズンのMETライブビューイングの最後の演目は、フランス・オペラの人気作曲家マスネの書いたシンデレラ・ストーリー《サンドリヨン》です。

現在、世界でも最も人気のあるスター歌手の一人であるアメリカ人のメゾソプラノ、ジョイス・ディドナートが、彼女にぴったりなオペラをMETで披露します。継母と二人の義理の姉たちにいじめられているサンドリヨンは、王子様のお妃選びの舞踏会に皆が出かけてしまった後、自分の不幸を嘆いているうちに眠気に襲われます。そこに現れたのはサンドリヨンの名付け親の妖精でした。妖精の魔法で美しく変身した彼女は馬車に乗って舞踏会に向かいます。そして王子とお互いに一目で恋に落ちたサンドリヨンの夢はやがて現実になるのです。

マスネの《サンドリヨン》は、主人公サンドリヨンと王子の二人とも、メゾソプラノ歌手が歌います。妖精は高音が華やかなソプラノの役。サンドリヨンと王子の愛の二重唱は優しさとパッションにあふれ、第二幕の恋人たちに妖精を加えた三重唱は、リヒャルト・シュトラウス《ばらの騎士》の有名な女声三重唱にも比されるほどの名曲です。サンドリヨンの登場のアリア「炉端でお休み、小さなコオロギ」も哀愁に満ちた美しさ。

フランス人の天才演出家ロラン・ペリーの舞台はディドナートをヒロインに考案されたもので、赤を効果的に使った鮮やかな美術と衣裳、そしてファンタジーが溢れる演出はこのオペラをこの上なく魅力的なものにしています。

それに加えて、色彩が豊かなマスネの音楽を第一人者ベルトラン・ド・ビリーが指揮するのも聴きどころ。キャストはアリス・クートの王子、キャスリーン・キムの妖精他、継母、義理の姉妹たち、そして優しいけれど気が弱い実の父パンドルフ役まで芸達者な歌手たちが揃っています。

《サンドリヨン》の夢の世界を、名舞台で鑑賞できる貴重な機会になることでしょう!

文:井内美香


METライブビューイング 2017-18
マスネ《サンドリヨン》~シンデレラ~

上映期間:2018年6月2日(土)~6月8日(金)

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