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見所凝縮!CARI AMICIの「ばらの騎士」抜粋・リハーサルレポート

ソプラノ歌手・北村さおりが主宰するオペラ団体「CARI AMICI(カーリ・アミーチ)」が11月2日・4日の2回公演でリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」を上演する。これまで「椿姫」「ランメルモールのルチア」「秘密の結婚」を上演してきたCARI AMICIが今回20世紀ドイツオペラの大傑作「ばらの騎士」に挑むにあたり、強力なキャストが集結した。本番直前のリハーサルの模様をお届けする。

池田香織(オクタヴィアン)、北村さおり(元帥夫人)、オックス男爵(大塚博章)

今回の「ばらの騎士」には、ワーグナー上演で毎年目覚しい成果を挙げてきた「わ」の会のメンバーが加わり、いわば「し」の会(!)とでも呼びたくなるようなキャストが実現した。指揮の城谷正博にピアノの木下志寿子、オクタヴィアンの池田香織、オックス男爵の大塚博章。普段「わ」の会で重厚な演奏・歌唱を聴かせているメンバーが軽妙洒脱な「ばらの騎士」でどのような顔を見せてくれるのだろう、という興味とともにリハーサルを拝聴した。
いざ音楽が流れ出すと、なるほどこのキャストで「ばらの騎士」を上演するとこうなるのか、と唸らされた。ワーグナーで常々魅せる音楽・ドイツ語の深い掘り下げや強靭な美声はそのままに、よりしなやかで艶っぽい音楽の奔流が客席まで広がる。その違い、シュトラウス特有の魅力は是非客席で味わっていただきたい。上述の「わ」の会メンバーはもちろん、元帥夫人の北村さおり、ゾフィーの山口佳子も美しく舞台を彩る。そして今回狂言回しとして大活躍するのが、増田弥生演じる情報通のアンニーナ。また「わ」の会からのゲストとしてもうお一方忘れてはならないのが、字幕を手掛ける吉田真の存在だ。ドイツ語の「雰囲気」まで鮮やかに伝えるような氏の訳には定評があるが、今回も親称・敬称、方言など大いに入り組んだシュトラウスのドイツ語が(オックス男爵など、物凄い言葉数なのだ!)鮮やかに伝わってきた。「縁の下の力持ち」的存在の吉田氏だが、今回は「縁の下」にとどまらないかも―ともあれ、沢山のアイディアや笑い、そして美しい音楽がいっぱいに詰まった舞台をお見逃しなく。

増田弥生(アンニーナ)、オックス男爵(大塚博章)

リハーサル終了後に、指揮の城谷正博に今回の公演についていくつかお話をうかがうことが出来た。

―城谷さんはワーグナー作品のイメージが強いのですが、ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスの音楽の違い、シュトラウスならではの難しさを教えてください。

リヒャルト・シュトラウスは「喋るように歌う」、つまり歌と喋りのスピードが一致するスタイルで作曲しています。まだ「アラベッラ」ほどではないのですが。なので喋りのスピードや音楽のテンポを決めるにあたって、ワーグナー以上に神経を使います。シュトラウスが「非ワーグナー的」に書こうとしている箇所もありますし、シュトラウスならではの色を出したいですね。流麗な音楽なので、あまり重くしてはいけない。しかし聴かせどころはたっぷりと歌い込まなければいけないので、バランスのとり方が難しいですね。全体を俯瞰すると喋りで進んでいく箇所が非常に多いです。

―今回の抜粋のポイントを教えていただけますか。

全体のストーリーの流れを押さえ、かつ聴きどころ(第2幕のばらの献呈、第3幕の三重唱など)を含めて抜粋しました。また物語のキーとなる第2幕のアンニーナとオックスの場面、第1幕の元帥夫人とマリアンデル、オックスの場面なども入れていった結果、今回のような形になりました。

―最後にお客様へのメッセージをお願いします。

「ばらの騎士」をこのような抜粋できちんと出来るというのは我々の強みだと思います。演奏するのがとても難しいのですが、普段からこうしたレパートリーに取り組んでいるメンバーが揃いました。ワーグナーだけじゃなく、軽妙洒脱なシュトラウスも出来るんだぞ、というところを聴いていただければ嬉しいです。

本番は11月2日(本日!)14時、4日19時の2公演。両日とも当日券あり。

文・写真:平岡拓也 Report & Photos by Takuya Hiraoka

【公演データ】
2018/11/2、4
R. シュトラウス《ばらの騎士》ハイライト
八王子市芸術文化会館 いちょうホール:小ホール

R. シュトラウス:オペラ「ばらの騎士」
(セミステージ ハイライト形式/字幕付/ドイツ語上演)

指揮:城谷正博
ピアノ:木下志寿子
元師夫人:北村さおり(ソプラノ)
オックス男爵:大塚博章(バス)
オクタヴィアン:池田香織(メゾ・ソプラノ)
ゾフィー:山口佳子(ソプラノ)
アンニーナ:増田弥生(メゾ・ソプラノ)
字幕:吉田真

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