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【オペラ暦】—8月28日—ドイツの国民的詩人ゲーテ誕生

【8月28日】ドイツの国民的詩人ゲーテ誕生

⚫️1733年、ペルゴレージ(ジョヴァンニ・バッテスタ・1710-1736)『奥様女中』が、ナポリのサン・バルトロメオ劇場で初演されています。この日上演された同じ作曲家のオペラ・セリア『誇り高い囚人』の幕間劇として上演され、今日ではこちらの方だけが注目されています。金持ちの老人に取り入り、その召使であった若い女性がその妻の座に収まるというオペラ・ブッファです。
⚫️1749年、ドイツを代表する国民的詩人・劇作家・作家であった文豪ゲーテ(ヨハン・ウォルフガング・フォン・-1832)が、フランクフルトで誕生。出世作『若きウェルテルの悩み』は、当時のヨーロッパ中を席巻。マスネ(ジュール=エミル=フレデリク・1842-1912)の『ウェルテル』としてオペラ化され、畢生の傑作である『ファウスト』は、グノー(シャルル・1818-93)、ベルリオーズ(エクトール・1803-69)、ボーイト(アッリゴ・1842-1918)などによってオペラ化されています。
⚫️1850年、ワーグナー(リヒャルト・1813-83)『ローエングリン』が、ワイマール宮廷劇場で初演されています。中世の騎士伝説を彼自身が台本化した3幕のオペラ。ドレスデンでの革命騒ぎの首謀者の一人として官憲に追われる身となった彼は、リスト(フランツ・1811-86)を頼ってワイマールへと向かいました。ワーグナーを高く評価したリストは、彼を匿って資金援助もし、そしてこの『ローエングリン』ではリスト自身の指揮によって行われたのです。しかも、前述のごとくゲーテ生誕101年目にあたるこの日に初演したのも、彼の配慮によるものでした。
⚫️1867年、イタリアのヴェリズモ・オペラを代表する作曲家ジョルダーノ(ウンベルト・-1948)が、フォッジャで生まれています。彼の代表作は、何と言っても、フランス革命を舞台に実在の詩人を描いた『アンドレア・シェニエ』ですが、そのほかにも『フェードラ』『シベリア』なども欧米の歌劇場ではしばしば取り上げられています。
⚫️1894年、オーストリアの大指揮者ベーム(カール・-1981)が、グラーツで生まれています。地味で堅実な印象は、あくまでも作曲家の意図に寄り添うとした精神に基づくものでした。20世紀に日本を訪れた指揮者の中では、一番愛され評価の高かった指揮者の一人でしょう。(亡くなった日の8月14日の項参照)
⚫️1913年、アメリカのテノール歌手タッカー(リチャード・-1975)が、ブルックリンで生まれています。トスカニーニ(アルトゥーロ・1867-1957)に認められてラダメスなどを歌い、1957年には来日も果たしています。
⚫️1959年、チェコの作曲家マルティヌー(ホフスラフ・1890-)が、リースタールで亡くなっています。彼は多作家で、オペラも16曲残していますが、東欧音楽の権威でもあった故佐川吉男は、代表作として『ジュリエッタまたは幸福への鍵』をあげています。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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