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【オペラ暦】—9月23日—大作曲家、大作家、名歌手たちが、亡くなった日

【9月23日】大作曲家、大作家、名歌手たちが、亡くなった日

⚫️1732年、ペルゴレージ(ジョヴァンニ・バッテスタ・1710-1736)の3幕のオペラ『妹に恋した兄』が、ナポリで初演。いわゆる取り違え物語で、最後は近親相姦?にもならずにめでたく結ばれる幕になるという筋書きです。
⚫️1835年、ベル・カント・オペラの代表的なイタリアの作曲家ベッリーニ(ヴィンチェンツィオ・・1801-35)が、パリ近郊で亡くなっています。彼は音楽史上でも他の追随を許さないほど美しい旋律を書く天才で、「カターニャの白鳥」と呼ばれたほどでしたが、生来の病弱の身で過労から健康を害し、わずか33歳という若さで生涯を閉じたのです。
⚫️1836年、スペインの伝説的なメッゾ・ソプラノ歌手マリブラン(マリア・1808-)が、マンチェスターで亡くなっています。父は著名なテノール歌手であり作曲家。彼女はニューヨークで銀行家マリブランと結婚しますが、すぐに離婚。再婚後もこの姓で舞台に出ていました。現在、彼女の名を冠したヴェネツィアのマリブラン劇場は、当時のサン・ジョヴァンニ・グリゾストモ劇場が財政難に陥った時に、彼女が多額の寄付や無料で出演をした事への感謝から名付けられたと言います。しかし、人気絶頂のわずか28歳で落馬事故がもとで亡くなったのです。彼女の死を悼んだ詩人ミュッセ(アルフレッド・ド・1810-57)は、彼女のためのオードを書いたほどでした。同じMsのバルトリ(チェチーリア・1966-)が歌ったCD『マリア』(UCCD1194)は、マリブランが歌った曲を集めたトリビュート・アルバムです。
⚫️1870年、フランスの作家メリメ(プロスペル・1803-70)が、滞在先のカンヌで亡くなっています。『カルメン』の原作者としてあまりにも有名。彼は作家であると同時に考古学者・歴史学者でもあり、フランスの歴史的記念物を管理保護する監督官でもありました。
⚫️1956年、ドイツの作曲家ヘンツェ(ハンス・ヴェルナー・1926-2012)『鹿の王』が、ベルリンで初演。イタリアのゴッツィ(カルロ・1720−1806)の喜劇に基き、かつてのベル・カント・オペラを摸して描いた作品とか。
⚫️2011年、日本のオペラ界に大きな足跡を残したテノール歌手で、現役を退いてからは名オペラ・プロデューサーとして活躍した五十嵐喜芳(きよし・1928-)が、東京の自宅で亡くなっています。没後に出版された『五十嵐喜芳自伝 わが心のベルカント』(水曜社刊)での奥様のあとがきに、「家族での夕食会の翌暁自宅にて突如、あの世に旅立ってしまいました。大変に心地好さそうな表情で・・・」とお書きになっています。奇しくも彼が愛したベッリーニの命日と同じになりました。今月、誕生日を迎えたばかりでした。享年83歳。(誕生日の9月8日の項参照)


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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