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【オペラ暦】—3月5日—2人のヴェルディ・オペラの影の立役者

【3月5日】2人のヴェルディ・オペラの影の立役者

⚫️1868年、ボーイト(アリゴ・1842-1918)『メフィストーフェレ』が、ミラノ・スカラ座で初演されています。ただし、あまりにも長大すぎて初演は大失敗だったとか。ボーイトは、自らのオペラ作曲家としての名声よりも、ヴェルディの後期の作品の台本作者としての功績が大きかった人です。老齢のヴェルディに『オテッロ』『ファルスタッフ』という名作を書かせたのは、まさに彼の台本の勝利でした。
⚫️一方、中期のヴェルディになくてはならない台本作者が、ピアーヴェ(フランチェスコ・マーリオ・1810-)でした。フェニーチェ劇場の座付き作者でもあった彼は、気難しいヴェルディの注文にもよく応え、『リゴレット』『椿姫』などの名作を次々と生み出したのです。1876年のこの日、彼がミラノで亡くなった後は、しばらくはヴェルディの創作意欲にも影を落としたほどでした。
⚫️1953年、20世紀を代表するロシアの作曲家プロコフィエフ(セルゲイ・1891-)が、モスクワで亡くなっています。代表作『三つのオレンジへの恋』や『火の天使』は、欧米のオペラハウスの重要なレパートリーになっています。
⚫️1984年、名バリトン、ゴッビ(ティート・1915-)が、ローマで亡くなっています。かつてNHKが招聘したイタリア歌劇団『オテッロ』におけるイヤーゴなどの名演技は、まさに歌役者ゴッビの面目躍如でした。


新井 巌(あらい・いわお)
iwao
1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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