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【オペラ暦】—3月6日—『椿姫』か、『ラ・トラヴィアータ』か、それが問題だ

【3月6日】『椿姫』か、『ラ・トラヴィアータ』か、それが問題だ

⚫️1831年のこの日、ベッリーニ(ヴィチェンツオ・1801-35)の代表作の一つ『夢遊病の女』が、ミラノのテアトロ・カルカノで初演。コロラトゥーラの技巧が求められるベル・カント・オペラの傑作です。
⚫️それにもまして特筆すべきなのが、1853年、ヴェルディ(ジュゼッペ・1813-1901)の『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』が、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演されたことでしょう。初演当時は不評だったと言われていましたが、最近ではその直後に再演されてからは好評を博したというのが定説のようです。それにしても、このオペラを『椿姫』と呼ぶのは日本だけでしょう。原題の「道を踏み外した女」という意味の『ラ・トラヴィアータ』では、集客に影響があるのでしょうか?最近では原題で上演するところも増えてきました。
⚫️1867(1872年説も)年に、シエナで生まれたサルコリー(アドルフォ・-1936)というテノールを知っていますか。1911年(明治44年)に来日してから、亡くなるまで日本に永住。三浦環、関屋敏子、原信子、奥田良三、田谷力三など数多くの日本人歌手を育て上げた日本のオペラの発達史には欠かせない人です。
⚫️1944年、ニュージーランド出身のソプラノ歌手テ・カナワ(キリ・)が、ギズバーンで生まれています。伯爵夫人やアラベッラなど、つねに凛とした歌唱には定評がありました。
⚫️1967年、『ハーリ・ヤーノシュ』で有名なコダーイ(ゾルターン・1882-)が、ブダペストで亡くなっています。オペラでは、ハンガリー革命100周年を記念して書かれた『ツィンカ・パンナ』(1948年初演)が知られています。


新井 巌(あらい・いわお)
iwao
1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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