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プレミア試写会レポート―11月15日(金)より、全国の映画館で上映が行われる、METライブビューイング2019-20新シーズン

11月15日(金)より、全国の映画館で上映が行われる、METライブビューイング2019-20新シーズン。

その新シーズンの第1作目を飾る、プッチーニ《トゥーランドット》のプレミア試写会が、11月6日に東銀座の東劇で行われました。今作で指揮を務め、METの音楽監督でもあるヤニック・ネゼ=セガン氏が登壇するということもあり、開始前には長蛇の列が出来ていました。ドレスアップした女性も多くみられ、いつものお馴染みの映画館が、一転して華やかな雰囲気に包まれます。


トークの司会には、コンサートソムリエの朝岡聡さん。スクリーン前に置かれた新シーズンのポスターパネルが、オペラの世界へといざないます。本作の《トゥーランドット》は、10月12日にメトで上演されたばかり。故フランコ・ゼッフィレッリによる、METでは繰り返し上演され続けている人気のプログラムです。

(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera

マエストロ ネゼ=セガンは、ETROのブルゾンにサンローランのカットソーといういで立ちで登場。日本の皆さまに一言ご挨拶を・・・という朝岡さんの問いかけに、「これは世界の大きな秘密だと思いますが・・・。」と切り出し、「日本の聴衆の皆さまは、世界の中で最高のお客様たちです。」と、答えを返します。一気に会場の心を掴んだ様子が爽やかな印象です。

この日は、フィラデルフィア管との来日ツアーの中の、貴重なオフの一日だったとか。ツアーでは、初めて京都を訪れ、ホールの素晴らしさだけでなく、街そのものや寺院なども気に入り、若きマエストロは、すっかり日本びいきのご様子です。「日本で美味しくないものなんてないでしょう・・・。」と、食べ物のおいしいことも絶賛されていました。

朝岡さん曰く、世界中で一番贅沢な劇場、それがメトロポリタン・オペラ。そこで音楽監督をして指揮をするということ、今年のこのシーズンにかける思いを聞かれ、マエストロが答えます。
「メトロポリタン歌劇場の音楽監督になるのが、学生の頃からの夢でした。同時にフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督も務めています。夢がかなったのです。」まるで少年のような面持ちで、思わず聞き入ってしまいました。
「トゥーランドットという作品は非常にスケールの大きいオペラです。合唱も大きい、舞台そのものも大きい、オーケストラも、全てが大規模です。子供のとき、オペラを見て何に感心したかというと、その大きさ、スケール感、壮大さです。METで指揮するということは明確さがすごく重要です。大勢の人たちに自分の姿を見てもらわなければいけない。自分の求めていることを伝えなければいけない。」なるほど、指揮者という仕事の大変さが垣間見えます。

一方で、雰囲気づくりの過程はとても重要だと言います。指揮者にとって、参加する歌手やスタッフと一緒に作品を作るというプロセスは、非常に大事。料理に例えると、様々な素材を集めて、それぞれの持ち味を生かして美味しく調理するようなこと・・・というように仰っていました。

再びトゥーランドットについて。泣かせる場面の音楽の極意はどこに?との朝岡さんの問いかけに「このオペラが特別なのはプッチーニ自身もこれが自分の最後の作品になるであろうと思って書いたからだと思います。」と答えるマエストロ。その通りだなと思いました。まさに、目から鱗です。
更に「我々が泣く場面は、リューが亡くなった後。その前の数分には、周囲の人物たちの色々な反応があり、それは我々の反応と一致している。そこがプッチーニの天性の才能が光るところ。素晴らしい作曲家というのは誠実であり、だから自分も誠実にその作品に向かう。このドラマを自分でも生きながらオーケストラ、合唱、ステージ上の人々と分かち合う。そうしているうちに、その感情は観客の皆さんにも伝わっていくのです。」と、お話されていました。
そして最後に「プッチーニやヴェルディといった、私たちの心に深く触れる作曲家たちがいたということを幸せだと思わないといけないですね。」と、締めくくります。マエストロが、ひときわ輝いて、大きく見えた一瞬でした。

最後のフォトセッションは、一般の方も撮影OKとあって、会場は大いに盛り上がりました。

【公演情報】
METライブビューイング 2019-20シーズン
第1作
プッチーニ《トゥーランドット》
11/15(金)~11/21(木) 
※東劇のみ11/28(木)までの2週上映
MET音楽監督のヤニック・ネゼ=セガンが指揮するプッチーニの大人気作!
METならではの豪華絢爛な舞台で、注目のドラマティックソプラノのクリスティーン・ガーキーが登場!

第2作
マスネ《マノン》
11/29(金)~12/5(木) 名匠ロラン・ペリーがオシャレな演出で描く小悪魔マノンを巡る破滅的な恋の物語!

第3作
プッチーニ《蝶々夫人》
2/7(金)~2/13(木)
アンンソニー・ミンゲラの幻想的演出で、〈ある晴れた日に〉など名曲が彩るアメリカ海軍士官を愛した日本女性の悲劇。

第4作
フィリップ・グラス《アクナーテン》 MET初演/新演出
2/21(金)~2/27(木)
現代音楽の巨匠フィリ ップ・グラス が宗教改革を断行した古代エジ プト王の物語をオペラ化!
フェリム・マクダーモットのカラフルでアクロバティックな演出にも注目。

第5作
ベルク《ヴォツェック》 新演出
2/28(金)~3/5(木)
美声バリトンのペーター・マッテイが破滅の人生を歩む兵士を熱演!
ビジュアル・アート界の巨匠ウィリアム・ケントリッジの創り上げる舞台にも注目。

第6作
ガーシュウィン《ポーギーとベス》 新演出
4/3(金)~4/9(木)
〈サマー・タイム〉などの名曲でおなじみのガーシュウィンの傑作オペラが、METで30年ぶりに上映!
ジャズの雰囲気を音楽全体に漂わせ、黒人社会を舞台に懸命に生きる人々の物語を描く。

第7作
ヘンデル《アグリッピーナ》 MET初演/新演出
4/10(金)~4/16(木)
デイヴィッド・マクヴィカー演出のヘンデルの最高傑作といわれるイタリアオペラ!
グラミー賞受賞のスター・メゾ、ジョイス・ディドナードが題名役を演じる。

第8作
ワーグナー《さまよえるオランダ人》 新演出
5/8(金)~5/14(木) ※東劇のみ5/21(木)までの2週上映
実力派バスバリトンのブリン・ターフェルが8年ぶりにMETに登場。
さらに世界的メゾソプラノの藤村実穂子がついにMETライブビューイングに初登場!

第9作
プッチーニ《トスカ》
5/22(金)~5/28(木) ※東劇のみ6/4(木)までの2週上映
愛と欲望が行き交うサスペンスドラマ!オペラ界の女王アンナ・ネトレプコが歌姫トスカを熱演!

第10作
ドニゼッティ《マリア・ストゥアルダ》
6/5(金)~6/11(木)
超絶技巧のディアナ・ダムラウが悲劇のスコットランド女王メアリー・ステュアートを全身全霊で歌い、演じる。エリザベス女王とスコットランド女王の史実を基にした女の闘い。

METライブビューイング 2019-20《トゥーランドット》
東劇・新宿ピカデリーほか全国にて 11/15(金)公開
配給:松竹 / コピーライト:© 松竹

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