オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—3月13日—象徴派の詩人たちを熱狂させた『タンホイザー』パリ初演

【3月13日】象徴派の詩人たちを熱狂させた『タンホイザー』パリ初演

⚫️1797年、ベートーヴェンとほぼ同時代の作曲家ケルビーニ(ルイージ・1760-1842)の『メデーア(メデ)』が、パリ、フェイドー劇場で初演。この作品は、戦後カラスによる復活上演で注目されました。
⚫️1860年、オーストリアの作曲家ヴォルフ(フーゴー・-1903)が、ヴィンデッシュグラーツで生まれています。彼はほとんど歌曲しか作りませんでしたが、ただ1曲のオペラ『お代官様』(1896)があります。これはファリャのバレエ音楽『三角帽子』と同じ題材。また、大変なワグネリアンでもありました。(2月22日の項参照)
⚫️1861年、パリ・オペラ座でのワーグナー(リヒャルト・1813-83)『タンホイザー』パリ版が初演。その日はナポレオン3世も臨席したにもかかわらず、反ワーグナー派の妨害と支持派の対立で収拾がつかない有様で、4日目は中止となったほど。しかし、これによってワーグナー支持者は音楽家だけでなく、象徴派の詩人ボードレールやマラルメたちをも熱狂させたのでした。


新井 巌(あらい・いわお)
iwao
1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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