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【オペラ暦】—12月4日—コルンゴルト『死の都』2都市で同時初演

【12月4日】コルンゴルト『死の都』2都市で同時初演

⚫️1693年、フランスのバロック期の作曲家シャルパンティエ(マルカントワーヌ・1643-1704)『メディ』が、パリのオペラ座で初演。コルネイユ(トーマス・1625-1709)のフランス語台本によるプロローグと5幕からなるオペラです。ちなみにこのコルネイユは、大コルネイユ(ピエール・1606-84)の弟。
⚫️1732年、イギリスの詩人・劇作家ゲイ(ジョン・1685-)が、ロンドンで亡くなっています。バラッド・オペラの創始者であり、有名な『乞食オペラ』(作曲はペープシュ(ヨハン・クリストフ・1667-1752))で大成功を収めました。
⚫️1816年、イタリアの大作曲家ロッシーニ(ジョアッキーノ・1792-1868)『オテロまたはヴェネツィアのムーア人』が、ナポリのフォンド劇場で初演されています。ヴェルディ(ジュゼッペ・1813-1901)と同じシェイクスピア(ウィリアム・1564-1616)の『オセロー』を原作としていますが、筋立てとしてはこちらの方が原作に近い構成です。
⚫️1897年、フランスのテノール歌手ティル(ジョルジュ・-1984)が、パリで生まれています。パリ・オペラ座に16年にわたりプリモ・ウォーモを務め、さらに、メトロポリタンやコヴェントガーデンでも活躍しました。53年にオペラから引退しています。(亡くなった日の10月17日の項参照)
⚫️1904年、イタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリ(エルマンノ・1876-1948)『スザンナの秘密』が、ミュンヘンのホフ・シアターで初演されています。1幕のインテルメッゾで、スザンナの秘密とは夫に隠れてタバコを吸うというたわいないお話。
⚫️1920年、オーストリアの作曲家コルンゴルト(エーリヒ・ヴォルフガング・1897-1957)『死の都』が、ハンブルク州立歌劇場とケルン歌劇場で同時に初演されています。ケルンの指揮者は、若きクレンペラー(オットー・1885-1973)でした。彼20歳の時に書かれたオペラで、ベルギーの作家ローデンバック(ジョルジュ・1855-98)の小説を原作としたもの。その後もウィーン、ニューヨーク、ベルリンと数多くの歌劇場が競ってこのオペラを取り上げた人気作でした。
⚫️1976年、イギリスを代表する作曲家ブリテン(エドワード・ベンジャミン・1913-)が、オールドパラで亡くなっています。とくに彼はオペラ作品に力を注ぎ、『ピーター・グライムス』『ねじの回転』『ルクリーシアの凌辱』『アルバート・へリング』など20世紀オペラを代表する作品を次々と発表したのです。(誕生日の11月22日の項参照)
⚫️1970年、今やドイツを代表する人気テノールとなったフォークト(クラウス・フロリアン・)が、ハイデで生まれています。とくワーグナーの諸役を得意とし、ヘルデン・テノールとして欧米各地の歌劇場から出演依頼も多く、新国立劇場でも来年5月『ローエングリン』で歌う予定。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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