オペラ・エクスプレス

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【オペラ暦】—9月29日—本格的イタリア・オペラの魅力を実感させた日

【9月29日】本格的イタリア・オペラの魅力を実感させた日

⚫️1863年、フランスの作曲家ビゼー(ジョルジュ・1838-75)『真珠採り』が、パリ・リリック座で初演(9月30日説もあり)。舞台は、未開時代のスリランカ。巫女と猟師との禁断の恋を描いた名曲。とくにナディールが歌うアリア「耳に残る君の歌声」は有名です。
⚫️1920年、チェコの国民的な指揮者ノイマン(ヴァーツラフ・-1995)が、プラハで生まれています。当初は、チェコ・フィルとスメタナ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者として活躍。ライプチヒ歌劇場やシュトゥットガルト国立歌劇場の音楽総監督、チェコ・フィルの首席指揮者などを歴任。(亡くなった日の9月2日の項参照)
⚫️1930年、オーストラリアの指揮者ボニング(リチャード・)が、シドニーで生まれています。当初はピニストとしてデビューしましたが、ソプラノ歌手のサザーランド(ジョーン・1926-2010)と結婚してからオペラに関心を持ち、その後指揮者に転向。サザーランドとともに多くのオペラで共演しています。
⚫️1956年、第1次イタリア歌劇団初日『アイーダ』が、東京宝塚劇場で上演されました。この日アイーダを歌ったのがステッラ(アントニエッタ・1929-)でしたが、指揮者のグイ(ヴィットーリオ・1885-1975)との口論で、この日だけで帰国してしまい、あとはダブル・キャストのルチアーナ・ベルトッリが歌ったという記録があります。アムネリスは、シミオナート(ジュリエッタ・1910-2010)でした。この日を嚆矢として、その顔ぶれといい、演目といい、1976年の第8次まで続いたNHK招聘のイタリア歌劇団公演が残した感動と興奮は、日本人のオペラ・ファンを一挙に増加させました。その功績は計り知れないと思うのですが、その割にはまとまった記録がないのは残念なことです。


新井 巌(あらい・いわお)

1943年、東京に生まれる。レコード会社を経て広告界に転じ、コピーライターとして活躍。東京コピーライターズクラブ会員。中学生の頃からクラシック音楽にひたり、NHKイタリア歌劇団の『アンドレア・シェニエ』日本初演を観劇したことが自慢の種。フェニーチェ劇場焼失の際には、再建募金友の会を主宰し、現在は「フェニーチェ劇場友の会」代表。日比谷図書文化館で「オペラ塾」を定期的に開催している。オペラ公演プログラムの編集にも携わっている。

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